昨年、神奈川から石川へ移住し、小松市に居を構える。石川の好きな食べ物を聞かれ、人懐っこい笑顔で「ますずし」と富山名物を答えたのはご愛敬。周りから「笹ずしだろ」とツッコミが入る「愛されキャラ」である。

 だが、青春時代は今とは全く違った。広島県呉市生まれで、高校卒業後に上京。ビジュアル系ロックバンド「デュール・クォーツ」のボーカルを務め、ステージの上では長髪を青色に染めて化粧をし、荒々しく叫んでいたという。

 メンバーには海外でも活躍し、紅白歌合戦にも出場したギタリストMIYAVI(ミヤビ)さんもいた。海外でもライブを行うほどの人気を誇ったが、バンドは不仲から解散。その後は舞台にも挑戦したが、「才能がないことに気付いた」と1回目の結婚を機に30歳で芸能界を引退した。

 その後は学習塾やコンビニの経営に携わる中、2回目の結婚相手に子どもがおり、父となって「子どもの未来を守りたい」との思いを強くした。自ら政治に参加しようと、2020年に参政党の門をたたいた。

 石川に移住したのは、10歳の息子を加賀市のフリースクールに通わせたかったことに加え、21年3月の小松市長選で宮橋勝栄市長の選挙を手伝ったのがきっかけだ。投票率が60%を超えた激戦で市民の熱い思いに触れ、「こんなまちで暮らしたい」と感じたという。

 実はリスクを考える慎重派だが、今回は「国政選挙に挑むチャンスはめったにない」と決意。日課の街頭演説では緊張知らずで「芸能界の経験が生きている」と笑う。昔のファンからSNSを通じて届く応援も力になっている。「周囲の心に火を付けられるような人になりたい」。新しいステージを目指し、きょうも心を燃やしてマイクを握る。

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