濃厚接触者への抗原検査キット無料配布などが報告された対策本部会議=石川県庁

 石川県は6月から、新型コロナで自宅療養している陽性者の同居家族ら濃厚接触者に対し、希望すれば抗原検査キットを無料で配布する。濃厚接触者の不安解消や医療機関の速やかな受診につなげる。県庁で23日開かれた新型コロナ対策本部会議で報告された。会議後、馳浩知事は、政府が屋外では会話がなければマスク不要との見解を示したことに触れ、他にもマスクを着用しなくていい場面はあるのではないかと指摘し「国が方針を示してほしい」と求めた。

 会議では、永松聡一郎健康福祉部長がマスクの着用不要の場面として、屋外で他人との距離が十分にあり、会話が少ない場合を挙げたほか、未就学児には着用を一律に求めないとの見解を紹介した。

 馳知事は記者団の取材に「個人的な言い方」と前置きした上で「基本的にはマスクして衛生管理をした生活をすることはやむを得ないが、そろそろ外してもいい場面があると思う」と述べ、着用について国が見解を示すべきだとした。

 陽性者の濃厚接触者については、現在は高齢者や基礎疾患のある人を優先して検査し、保健所業務のひっ迫を軽減している。陽性者の同居家族は検査なしで自宅待機をしてもらっており、検査を希望する声が県に寄せられていた。

 抗原検査キットに関して、アドバイザーの蒲田敏文金大附属病院長は「偽陽性が出ることがある。キットで陽性が出たら必ずPCR検査を受けるように徹底してほしい」と求めた。

  ●全高齢者施設で往診体制を確保

 永松部長は、高齢者施設でのコロナ療養体制を強化するため、県医師会の協力で、県内全584施設で医療機関による往診体制を確保したと明らかにした。

 感染不安のある無症状者に対する無料検査、病院や介護施設、保育所などの職員への一斉検査をそれぞれ6月末まで延長することも報告した。

  ●派生型が89%に

 県内ではオミクロン株の派生型「BA・2」の比率が高まっており、3月が2・0%、4月が48・9%だったが、5月は89・5%と、置き換わりが進んだ。ゴールデンウイーク後に感染者が増加傾向となり、会食を契機としたクラスターも発生した。

 アドバイザーの市村宏金大特任教授は「新規感染者の大半は30代までの若い世代であり、この世代の対策が大切だ。若い人でも重症化のリスクはある」と若者へのワクチン接種の推奨を呼び掛けた。同じく伊藤透金沢医科大病院長は「3回接種すると感染率が大きく下がる」と強調した。

  ●県民旅行割延長、8県も6月末まで

 竹内政則観光戦略推進部長は県民旅行割について、相互割引の対象となっている富山、福井、新潟、長野、岐阜、静岡、愛知、三重の8県と協議が整い、6月30日まで延長すると報告した。さらに、観光庁が5月中に行う訪日観光の少人数ツアー実証事業に関して、石川も対象となったと説明した。

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