産科医確保に関する要望が相次いだ特別委=県議会

 県議会地方創生・新幹線対策特別委員会は11日開かれ、輪島市の市立輪島病院で新生児が死亡した医療事故を受け、委員から奥能登の産科医不足解消を求める意見が相次いだ。地方創生の一環で移住定住を促進する県に対して「地域に魅力があっても暮らしの安全がなければ人は来ない」との厳しい声が上がり、複数の委員が全庁的な態勢で問題解決に当たるよう訴えた。

 「両親の元で安心して出産したいと輪島へ帰ってきたら、あんなことが起きた。単なる医療ミスでは済まされない」。稲村建男委員は強い口調で能登の医療体制に懸念を示し、「県庁を挙げて横断的に解決してもらわなければいけない」と求めた。

 稲村氏は、近年、県内への移住者数が増加していると説明した県側に対し「能登への移住促進は必要だ。ただ、今回のような一つの事故で大変なイメージダウンになる」と指摘。県が国のトキ放鳥候補地に手を挙げていることに触れ「このままではトキが放たれても自然しかない場所になる」と危機感をあらわにした。

 米澤賢司委員も少子化対策を説明した健康福祉部の柚森直弘次長に「説明を聞きながら、むなしくなった。この状況で出産や子育てなどライフステージに応じた支援を県としてうたえるのか」と疑問を呈した。

 こうした声に対し、光永祐子企画振興部長は「医師不足の対応は一義的に健康福祉部だが、県庁全体で考えるべき問題だ」との認識を示した。その上で、馳浩知事からも「産科医不足の問題には全庁で対応するよう指示を受けている」と述べた。

 また、柚森次長は産科医の確保について「訴訟リスクや勤務状況から厳しい状況だ」とし、大学や自治体など関係者と連携して対策を協議する考えを示した。

 一方、山口彦衛委員は「県が主導して奥能登全体で一つの病院をつくってほしい」と要望。現在ある市町立の病院はサテライト病院として活用するよう提案した。

  ●女性の就職マッチング減

 内田滋一商工労働部長は、いしかわ就職・定住総合サポートセンター(ILAC)を通じた女性の就職マッチング件数について、昨年度は前年度比134件減の261件だったと報告した。

 減少の要因について内田部長は「コロナ禍で子どもが学校や保育園に行けなくなるリスクがあることから、求職活動を控える動きが一部であったと聞いている」と説明した。

 県内就職を促進するイベントは昨年度86回実施し、1278社、3986人が参加した。前年度より22回多く、236社増、564人増だった。

 このほか、プレミアム・パスポート事業の協賛店舗数が昨年度で2997店舗となったことに関し、紐野義昭委員が「商工労働部と連携すれば、もっと飛躍的に店舗を増やせるはずだ」とし、部局横断の対応を求めた。

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