商工労働部を皮切りに始まった石川県の6月補正予算案の知事裁定=9日午前10時10分、県庁

 馳浩石川県知事は9日、輪島市の市立輪島病院で昨年6月、産科医の誤診により新生児が亡くなったことに関し、「県内の医師の適正な確保と配置について幹部に指示を出した」と明らかにした。奥能登2市2町で常勤産科医が同病院の一人のみとなっており、「どういうふうに(関係機関との)連携、調整ができるのか検討していく」と述べた。

 県庁で始まった県6月補正予算案の知事裁定に先立つ会見で、記者団の質問に答えた。馳知事は3月の知事選で能登の振興策の一つに「周産期医療センター」の整備を掲げている。

 馳知事は今回の医療事故に関して、「心からお悔やみ申し上げたい。ご家族のことを思うと、いたたまれない気持ちだ」と話した。

 医療事故の報道があった翌日の7日に、徳田博副知事や澁谷弘一総務部長ら県幹部に対応を指示したとし、「輪島病院に限ったことではない。県全体の課題という認識を持っている」と強調した。

 馳知事は「地域における医師の配置基準などを定めた医療法に基づいての調整になる」と説明し、「決定すれば随時公表する」とした。

 市立輪島病院で新生児が亡くなった医療事故では、主治医の男性産科医が出産前に胎盤が子宮からはがれる「常位胎盤早期剝離(はくり)(早期剝離)」を早産と誤診し、胎盤の剝離を進行させる陣痛促進剤の投与を続けた。新生児はぐったりした状態で産まれ、金沢市内の病院に転院したが死亡した。輪島市が全面的に責任を認め、遺族に損害賠償金5825万円を支払い示談する。

  ●県6月補正予算案知事裁定 「原油・原材料高に対策を」 商工労働部、ウクライナ侵攻受け

 県の今年度6月補正予算案の知事裁定は9日、商工労働部を皮切りに始まった。就任後初の本格予算となる馳知事は原油・原材料価格の高騰、円安に関連し、「下請け企業が価格転嫁できているか、しわ寄せがないかを把握し、元請けも含めて資金繰りの不安解消を支援することが大事だ」とし、対策を盛り込むよう指示した。

 内田滋一商工労働部長は今年度当初予算の編成後に、新型コロナのまん延防止等重点措置が長期化したほか、ロシアのウクライナ侵攻による原油・原材料高騰が深刻化したと説明。その上で、補正予算案の方向性として、長期化するコロナ禍からの再生、原油・原材料高騰への対応など地域経済の正常化を後押しするとした。

 これに対して、馳知事は「県内に多い中小企業などの相談体制も必要だ」と強調した。

 3月の知事選の影響で今年度当初予算は義務的経費が中心の「準通年型」となっており、補正予算案に新規事業などの政策経費が計上される。

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