記者会見で謝罪する市立輪島病院の品川院長(左から2人目)と坂口輪島市長(同3人目)=市役所

 市立輪島病院で新生児が亡くなった医療事故について、坂口茂市長と品川誠院長が6日、市役所で記者会見し、謝罪した。市は全面的に責任を認め、遺族に損害賠償金5825万円を支払い示談する。同日の市議会臨時会で、損害賠償に関する議案が可決された。

 病院によると主治医の男性産科医は、出産前に胎盤が子宮からはがれる「常位胎盤早期剝離(はくり)(早期剝離)」を早産と誤診し、胎盤の剥離を進行させる陣痛促進剤の投与を続けた。

 母親は東京在住で、里帰り出産のため昨年5月から輪島病院を受診、妊娠35週の昨年6月2日早朝、出血があったとして来院した。主治医は早産と判断して入院させ、同日午前11時45分から5時間半の有給休暇を取得し、病院を離れた。

 同日正午ごろから出血が急増し、助産師が主治医に連絡して判断を仰いだが早産との判断は変わらず、陣痛促進剤を投与。午後3時45分に主治医は戻り、入院から約14時間後の午後8時に吸引分娩(ぶんべん)を実施した。新生児はぐったりした状態で、金沢市内の病院に転院したが3日に死亡した。

 出産の際に胎盤を見て早期剝離の可能性に気付いたという。品川院長は「帝王切開や別の医療機関への転院を判断するべきだった」と説明した。

 主治医は約17年、産婦人科の「一人医長」を務めてきた。品川院長は、主治医が経験を過信し、現場の情報交換が不十分だったとし、「ご遺族や市民に申し訳ない」と頭を下げた。早産や低体重、妊婦に異常出血がある場合は、産科医が複数人いる病院へ搬送することなど再発防止策を取る。

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