能登地域トキ放鳥受入推進協議会の初会合であいさつする馳知事=輪島市の能登空港ターミナルビル

 国特別天然記念物トキの放鳥受け入れを目指し、石川県と宝達志水町以北の能登9市町や関係団体は6日、協議会を発足させた。能登空港ターミナルビル(輪島市)で開かれた初会合で、国が今月にも公募を始める放鳥候補地に、県と9市町の連名で名乗りを上げることを確認した。会長に就いた馳浩知事は「半世紀ぶりにトキが能登の空を舞う夢の実現に向け一致結束して取り組む」と述べた。

 放鳥受け入れへ複数の自治体による協議会を設置したのは全国初となる。放鳥候補地は3カ所程度が選ばれる見通しで、環境省によると、正式に名乗りを上げたのは石川が初めて。

 発足した「能登地域トキ放鳥受入推進協議会」は、本州で最後にトキ「能里(のり)」が捕獲された穴水町を含む世界農業遺産「能登の里山里海」を構成する9市町や地域内の全6JAと2森林組合のほか、珠洲商工会議所、羽咋市商工会、能登半島広域観光協会、日本旅行業協会石川地区委員会が参加する。丸山利輔県立大参与がアドバイザーを務める。

  ●有力な候補地 条件全てクリア

 県側は、能登は餌場となる水田や周辺の森林の面積など、国が示す放鳥候補地の条件を全てクリアし、環境省から有力な候補地と評価されていると説明した。

 今年度は、7~9月に県民の機運醸成のためイベントの開催や親子トキ教室を開催する。初会合では、佐渡視察の提案のほか、減農薬栽培のために農業関係者の合意形成が必要だとの指摘、風力発電所などがトキの放鳥に影響を与えないか考慮する必要があるとの意見が出された。

 県によると、9~10月にも国が放鳥候補地を決定する可能性がある。候補地決定後、国と佐渡市、候補地による組織が設けられ、放鳥への情報共有を図る。

 環境省は昨年、鳥インフルエンザなどの感染症リスクを回避するため、2008年に放鳥を始めた佐渡市以外でも放鳥を実施する方針を打ち出していた。

無断転載・複製を禁じます