●主治医、胎盤剥離に気付かず

 2021年6月に石川県輪島市の市立輪島病院の産婦人科で主治医の誤診により、新生児が仮死状態で産まれ、搬送先の病院で亡くなる医療事故があったことが分かった。6日の市議会臨時会の質疑で坂口茂市長が明らかにした。出産前に胎盤が子宮からはがれてしまう「常位胎盤早期剥離(はくり)」と気付かず不適切な対応をしていたとし、責任は全面的に病院側にあると説明した。

 遺族とは示談する方向で、市側は損害賠償金として5825万円を支払う議案を提出し、可決された。

 市によると、母親は妊娠35週だった昨年6月2日早朝に異変を感じて受診、入院した。同日正午前まで妊婦の状態が安定していたため、主治医はお産が進行していないと判断。年次有給休暇を取得し、いったん病院を離れた。

 妊婦の状況が急激に悪化し始めたため、同日午後4時に主治医は戻ってきたが、帝王切開せずに、不適切な薬剤投与を行い、入院から14時間後の午後8時に吸引分娩(ぶんべん)を実施した。

 坂口市長は、医師不在時の妊婦の状況確認や情報共有、意見交換などがなかったとし、「標準的な医療が提供されていれば母子ともに健康に退院できたはずだ」と述べた。

 質疑で西恵氏(自民わじま)が対応をただした。病院側は午後に品川誠院長らが会見し、詳細を説明する。

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