AIが検知した野生のクマ(県提供)

実証実験で使われたカメラとAI用小型パソコン=富山市の県民会館

 県の野生動物被害防止対策会議は22日、富山市の県民会館で開かれ、県側は昨年度に実施したAI(人工知能)でクマを検知する実証実験で、撮影した計1万5360枚の正答率が99・9%に上ったと報告した。協力した5市のうち、高岡、魚津両市は今年度AIを導入する予定で、県は他の市町村にも実験結果を情報提供し、獣害防止対策にデジタル技術の活用を促す。

 実証実験は昨年9月下旬~12月下旬に富山、高岡、魚津、南砺、氷見5市の計22カ所で実施。クマの出没多発エリアに設置したカメラで画像データを撮影し、AIがサルやタヌキなどと区別してクマを検出し、関係機関に通報する仕組みだった。

 撮影された中の34枚はクマとして検出し、通報された。そのうち27枚は正解で、7枚は誤りだった。他の1万5326枚は「クマではない」と判断され、実際にはクマだったが見逃したケースが1枚あった。

 AIを開発した北陸電力新価値創造研究所の担当者は「撮影から通報まで5分程度と、通常の目撃情報からの対応に比べてかなりの時間短縮につながった」と話した。今年度はニホンザルやイノシシ用の技術開発に取り組むとしている。

  ●農作物被害が過去最少

 昨年度の主要鳥獣による県内の農作物被害額は前年度比787万円減の5737万円で、記録の残る1999年度以降で最少となった。ただ、イノシシによる被害額は4557万円と前年度から1328万円増えており、県は今年度、氷見、小矢部の2地区に捕獲専門チームを新設し、県内8チーム態勢で被害防止を図る。

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