石積み階段の発掘を進める辻さん=加賀市大聖寺一本橋町

 現在の加賀市大聖寺で、かつて大聖寺藩が築いた旧熊坂川護岸の石積み階段について、地元の不動産業辻裕行さん(54)=加賀市大聖寺一本橋町=が21日までに、同町の空き地で発掘作業を始めた。城下町の町並みが残る大聖寺は昨年3月、国の歴史都市に認定されており、まちづくりに取り組む辻さんは、舟運の町だった大聖寺の歴史的景観を少しでも復元し、多くの人に楽しんでほしいと願う。

 現在は小河川となっている旧熊坂川の近くに、藩政期の石積み階段があると辻さんが住民に聞いたのは昨年12月。船着き場として利用されていたと知り、水路が多く舟運が発達していた大聖寺の町で、「歴史ある景観を取り戻したい」と発掘を始めた。

 大聖寺の中心部を流れる旧熊坂川はかつて氾濫を繰り返していた。1934(昭和9)年に大聖寺を焼いた大火の後、復興に合わせて水害防止のため、加賀聖城高前を流れる今の熊坂川の流路が整備された。旧熊坂川は川幅が狭められて小河川となり、藩政期の築堤などは、周辺の宅地の土の下に埋もれた。

 辻さんは昨年12月、市の許可を得て、自宅近くにある未利用の市有地をスコップで掘り始めた。深さ30センチほど掘ると、古い石積み階段が見え始めたという。今年度中に縦5メートル、横1・5メートル、深さ2メートルほど掘り、階段全体を発掘する計画だという。

 城下町大聖寺の再生事業に取り組んでいる辻さんは、2017年に大聖寺山田町で3飲食店が並ぶ「ちょうちん横町」を開業し、軌道に乗せた。現在は大聖寺鍛冶町の築140年以上の町家を活用し、飲食街に再生する計画も進めている。

 辻さんは、大聖寺藩が築いた階段の復元を通じて「より城下町らしい景観になり、多くの人が訪れるようになればうれしい。大聖寺の歴史的な情報があれば教えてほしい」と話した。

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