主事となり、書類に目を通す川上さん=珠洲市日置公民館

 ●ふるさとに就職、移住者と住民つなぐ

 珠洲市日置(ひき)公民館の主事に5日までに、今春大学を卒業した同市三崎町粟津の川上真璃さん(22)が就いた。市教委によると、市内の公民館で20代が主事になるのは初めて。能登半島の先端、禄剛埼灯台がある日置地区は、市内で唯一小中学校がなく過疎化が進む。一方で昨年4月以降に13人が移住しており、川上さんは若い感性で住民と移住者の橋渡し役を務めたいと意気込む。

 川上さんは飯田高を卒業後、北陸大に進学した。4年生で県外の旅館から就職の内定を受けたが、家族で話し合ううち長引くコロナ禍で考え直し、「やっぱり生まれ育った珠洲に戻ろう」との思いが募った。

 市広報で公民館主事を募っていると知るや「移住者ら同世代と関わりながら、地域の活性化に携われる」と考えて応募し、日置公民館での勤務が決まった。

 日置地区には、昨年6月に本社機能の一部を珠洲に移転したアステナホールディングスの岩城慶太郎社長や、製炭工場へ就職した家族らが移住している。2020年12月末時点で人口423人だった日置の地に、市の移住相談窓口を通じて2018~20年度に5人が転入。昨年4月から今年2月末までに、さらに13人が移住した。

 2017年や21年の奥能登国際芸術祭(北國新聞社特別協力)では、芸術家やスタッフが公民館近くの建物「日置ハウス」に滞在し、市民との交流拠点の一つとなっている。

 川上さんは1日、市役所で吉木充弘教育長から任用通知書を受け取った後、早速公民館での仕事に励み、住民と交流を始めた。

 学生時代に英語を使ったコミュニケーションや、日本語ゼミで日本語教育を学んだ川上さんは「コロナ収束後に海外から来る観光客と接し、若さで地元を盛り上げたい」と語った。吉木教育長は「若者ならではの視点や感性を生かし、移住者と地元住民のつなぎ役になってほしい」と期待した。

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