地震の発生を受け、情報収集を進める珠洲市の職員=市役所

 珠洲市を震源とする地震が頻発していることを受け、春の行楽シーズンへの打撃を懸念する声が出始めている。市内では、昨秋の「奥能登国際芸術祭2020+(プラス)」(北國新聞社特別協力)が追い風となり、4、5月は計73本のツアーが組まれている。一方、観光施設には「地震が怖い。珠洲は安全なのか」との問い合わせが複数寄せられており、担当者はマイナスの影響が出ないよう入念に対応に当たっている。

 「大型連休は心配しないで珠洲に遊びに来てほしい」。珠洲市野々江町にある道の駅「すずなり」の坂敏文事務局長は4日、市内で続く地震が1日も早く収まるよう願いを込めた。

 すずなりは、市内観光ツアーや宿泊施設の予約を受け付ける窓口となっており、地震が起きるたびに、予約客から安全面を心配する声が寄せられているという。坂事務局長は避難マニュアルを準備してあることなどを知らせ、キャンセルが出ないよう努めている。

 珠洲市は、昨秋に開かれた奥能登国際芸術祭を契機に注目度が高まり、東京や名古屋などから観光ツアーが複数組まれている。

 市によると、芸術祭で公開後、常設化されたスズ・シアター・ミュージアム「光の方舟(はこぶね)」などが人気を集めており、現時点で4月は16本、5月は57本のツアーが予定されている。

 県内外から「最果ての地」に人を呼び込むことは、コロナで冷え込む地元経済にとって恩恵となる。市担当者は「お客さんが安心して珠洲の旅を楽しめるように、安全対策だけはしっかりしたい」と、予定通りツアーが実施されるよう対応に万全を期している。

  ●「いつまで続くのか」

 珠洲市では4日午前に震度4をはじめ、立て続けに地震を観測し、市役所では泉谷満寿裕市長が被害確認を急ぐよう指示を出し、職員が慌ただしく動いた。

 珠洲消防署大谷分署では署員7人が2班に分かれて、真浦町から高屋町の外浦一帯を約1時間20分、パトロールした。橋本豊彦分署長補佐は「いつでも災害に対応できるようにしたい」と力を込めた。

 山あいにある若山町経念の谷内一夫さん(68)は「地震がいつまで続くのか分からず、不安だらけだ」と声を落とし、「高齢者も多いので、何かあったときは助け合わないといけない」と話した。

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