四回にタイムリー三塁打を放つ星稜の佐々木主将=甲子園球場

スタンドで応援する祖母の政江さん

 「いいぞ、ゆうた。よくやった」。センバツの2回戦で、四回にタイムリー三塁打をかっ飛ばした星稜の佐々木優太主将に視線を向け、何度も手をたたいた。一塁側アルプス席で見守っていたのは祖母の政江さん(72)。約束の甲子園で放った最初の安打に「強くて優しい自慢の孫や。信じられない」と声を詰まらせた。

  ●2歳から親代わり

 「ばあちゃんを甲子園に連れて行く」。星稜中に進学後、佐々木選手は口癖のように言っていた。2歳の時に両親が離婚、父が引き取り、政江さんが母親代わりとなった。野々市市から通学し、汗と泥にまみれて帰宅する毎日。朝練で午前6時に家を出るため、4時半に起きて弁当作りや家事をこなし、自らも日中は働いて孫を支えてきた。

 授業参観でクラスメートから「なんで優太は、おばあちゃんが来るの」と言われたこともしばしば。それでも、母の愛を知らずに育ったさみしさを見せることはなかった。政江さんは「立派に育ってくれた」とうなずいた。

 22日の初戦は無安打に終わったが、この日は1安打1打点、巧みなリードで投手陣を引っ張り、主将としてチームを支えた。「初戦よりは安心して見ていられました」と政江さん。晴れやかな笑顔で応援席にあいさつする孫に最後まで拍手を送っていた。

  ●生徒、OBら950人がスタンドから応援

 星稜高はこの日、バス4台で生徒や教職員、OBなど約950人が応援に駆けつけた。

 6回1失点と好投したマーガード真偉輝キアン選手の母恵子さん(57)は「ドキドキしたが、なんとかやってくれた」と喜びいっぱい。2番手で登板した中山敦選手の父敬さん(46)は地元茨城県から応援に訪れ、3回1失点の甲子園デビューに「堂々と投げていたんじゃないかな」と振り返った。三回に追加点となる2ランを放った4番・若狭遼之助選手の父勝さん(52)は「打った瞬間『入れ』と祈った。最高の結果だ」と喜んだ。

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