氷室小屋に雪を詰める関係者=金沢市湯涌町

地元の特産品を買い求める来場者

 金沢市湯涌地区の冬の風物詩「氷室の仕込み」は30日、湯涌温泉の玉泉湖畔にある氷室小屋で行われ、関係者らが雪を詰め込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2年連続で見物客の立ち入りを制限、オンラインでの生配信とし、計画していた地元児童の参加も見送った。昨年に続き十分な雪の量を確保でき伝統はつながったものの、住民らは「来年こそはにぎやかに」と願いながら見守った。

 お清めの儀に続き、湯涌温泉観光協会の安藤有(たもつ)会長、山野之義市長らが深さ2・5メートルの氷室小屋に木製のスコップで雪をかき入れた。湯涌産の酒米で作ったやちや酒造(同市大樋町)の地酒「白鷺」100本も一緒に仕込んだ。

  ●広場に住民

 現地の様子は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で生中継された。金沢湯涌夢二館前イベント広場の特設モニターで放映され、地元住民らが見守った。

 広場では氷室まんじゅうと温泉卵、総湯「白鷺の湯」の回数券などが販売された。現地での飲食は中止し、金沢百万石太鼓の演奏も取りやめた。

 今年は小屋周辺に50センチ近くの積雪があり、仕込みには十分な量となった。6月30日に氷室開きを行い、取り出した雪氷は市役所や県庁、加賀藩の屋敷があった東京の板橋、目黒、文京の3区に贈られる。

 安藤会長は「一般参加が中止になったのは残念だがたくさん雪が積もり、きっちりと詰めることができそうでよかった」と話した。

 1月の「氷室の仕込み」と6月の「氷室開き」は加賀藩が冬に雪を貯蔵し、夏に江戸まで運んで将軍家に贈った風習を再現している。一時途絶えたが、同協会が1986年に復活させた。

  ●金工大生がアプリ実験

 氷室の仕込みに合わせ、地域活性化を目指す金工大の「Tourismプロジェクト」のメンバー9人は、スマートフォンで湯涌温泉を写真撮影し、散策を楽しむことができるゲームアプリを試験運用した。アプリの地図を頼りに氷室小屋など4カ所を全て回り撮影すると、ゲームクリアとなる。実用化に向け、改良を重ねていく。

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