署員にマジックを披露する安田巡査部長(右)=金沢中署

 金沢市の金沢中署とがし交番の安田武巡査部長(56)が、趣味のマジックを高齢者に披露しながら特殊詐欺や交通事故への注意を呼び掛けている。相棒の鳥の人形は「オレオレ君」。手品に驚いて少しでも印象に残り、被害防止につながればと休日に地元のサークルで技を磨く。市民の安全を守る「手品師ポリス」の奮闘の日々が続いている。

 「カラスは『カーカー』、サギは『オレオレ』と鳴きますよ」。安田さんは、集まった高齢者を前に何も入っていないことを見せたマジックボックスから鳥の人形をひょいと取り出し、特殊詐欺に気を付けてほしいと訴えた。

 人形の鳥はサギの設定で、連想しやすいようにくちばしや羽はピンクの折り紙を自分で貼り付けている。ボックスからは反射材タスキも出してみせて、「夜に出歩く際は着用しましょう」と啓発している。

 安田さんは、白山署尾口駐在所に勤務していた18年ほど前に、高齢者向けの防犯交通教室で手品を披露したことをきっかけにマジックを始めた。8年前からは、金沢を拠点とする「マジシャンイーグルズ」に入会し、休日はサークルの活動で老人ホームや児童館を訪れて舞台に立っている。1月からは犀川地区のサロンのステージも担当しているという。

 交番勤務中は管内をパトロールして地域の状況把握に務める一方、住民と何でも相談できる関係をつくりたいと、要請があれば気軽に高齢者の前でマジックを披露している。安田さんは「マジックを見て一人でも多くの人が特殊詐欺や事故に注意しようと思ってくれたらうれしい」と話している。

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