宝達志水町広域勤労青少年ホーム。4月に6万冊の漫画が読める図書館が開設される=同町北川尻

 宝達志水町に4月、北陸初の公立の「まんが図書館(仮称)」が誕生する。遊休施設の町広域勤労青少年ホーム(北川尻)に、企業から無償提供を受けた漫画本6万冊を読める空間を整備する。町内には家族連れや若者が出掛ける場所が少なく、漫画喫茶もない。町は「レジャーがない町」を返上し、数百円の入館料でくつろぎながら漫画本を読める環境をつくる。

 宝達志水町は千里浜海岸や宝達山などの観光名所を抱えるが、カラオケや漫画喫茶など若者や親子が足を運ぶスポットが乏しい。漫画喫茶は隣接する羽咋市にもなく、かほく市に1店あるのみ。休日は町外の大型ショッピングセンターに出掛ける人が多く、町内に住む30代会社員女性は「6万冊もあるなんて。絶対に通いたい」と声を弾ませた。

 町は昨年11月、町内の遊休施設の有効活用を進めるため、中古書籍販売「ブックオフ」などを展開する電陽社グループ(砺波市)と連携協定を締結した。漫画本6万冊が無償提供されることになり、「図書館」を設けられないか検討を進めてきた。

 のと里山海道米出インターチェンジ(IC)近くにある町広域勤労青少年ホームは、鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積680平方メートル。1985(昭和60)年築で老朽化が激しく、町が撤去候補にしていた。

 計画では、1階の会議室や運動スペースなどに少年・少女漫画各1万5千冊と青年・レディース本3万冊を並べる。町ゆかりの末森合戦が登場する人気漫画「花の慶次」も読むことができる。

 全国の公立の漫画図書館はおおむね110~900円の入館料を設定している。宝達志水町も来館者に貸し出しはせず、建物内で読んでもらう方向で検討している。

 管理運営はNPO法人・宝達スポーツ文化コミッションに委託する計画で、入館料は今後協議する。町の担当者は「町内外から多くの人が訪れる新スポットにしたい」と話している。

 町は24日に開かれる町議会臨時会に、書籍と書棚の運送費を盛り込む今年度補正予算案を提出する。

 ★漫画図書館 漫画本を専門に扱う公立図書館・美術館は全国で6カ所ある。岐阜県の旧宮川村(現飛騨市)が1994年に開設し、広島市、岡山県高梁市、北九州市、京都市、和歌山県有田川町が設けている。自治体以外では明治大に現代マンガ図書館がある。公立の蔵書数は京都市が30万冊で最も多く、広島市が16万冊と続く。

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