直木賞に決まり、記者会見の会場に人力車で乗り付ける今村翔吾さん=19日夕、東京都千代田区

今村さんの受賞を喜ぶ釜谷さん=高岡市内免

 直木賞を受賞した今村翔吾さんは19日、都内で行われた記者会見で、富山県高岡市の高岡西部中1年の釜谷光さん(13)から届いた手紙についてのエピソードを紹介し「僕にとって子どもっていうのは原点」と語った。昨年3月、釜谷さんが在籍していた同市川原小で行った特別授業に触れ「人にいろんなことを教えたつもりでも、(逆に)多くのことを教えてもらって。それが僕の作品の根底にある」とし、再び富山を訪れることも誓った。

 「コロナで全ての行事がとんでしまった。でも今村先生の本で元気になった。いつか会いたいです」。釜谷さんから届いた手紙の内容を紹介した今村さん。何とか会ってあげたいとの思いで高岡へ向かったと振り返った。「子どもたちに何かできひんかって常に思ってる。できる活動があれば、力が及ぶ限り、頑張っていきたい」と語った。

 会見の最後には富山新聞社の記者に「富山の彼にもまた会えるようにとお伝えください」と依頼した。直後に伝えられた釜谷さんは「覚えていてくれたのがうれしい」と泣きそうな表情で感激。「高岡に来てくれた際には、高岡古城公園など歴史ある街を一緒に回り、作品について話し合いたい」と夢を膨らませた。

 釜谷さんは2020年6月に今村さんの時代小説「てらこや青義堂 師匠、走る」に感動して手紙を送り、その後も手紙のやりとりを続けてきた。受賞作も読んだという釜谷さんは「今まで応援してきたので本当にうれしい。自分も人を楽しませることができるよう頑張りたい」と話した。

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