不適正製造と自主回収について陳謝する塩井氏(手前中央)と廣貫堂社員=富山市の県薬業会館

 ●昨年末、県に報告書 「受理されたら説明」

 医薬品製造販売の廣貫堂(富山市)が国の承認外の不適正な方法で製造していた問題で、塩井保彦会長(富山県薬業連合会副会長)は12日、同市の県薬業会館で会見し、配置薬などの出荷再開について、製品によって3カ月から1年半後になるとの見通しを示した。昨年末、県に問題に関する報告書を提出したものの、見直しを求められて受理されなかったことを明らかにし「報告書が受理された段階で(問題の)原因を説明したい」と述べた。

 12日、県薬業会館で開かれた薬連配置薬業部会後、塩井氏が説明した。冒頭、塩井氏は「自主回収で配置薬を愛用する方々に多大な迷惑を掛けたことを深くおわびする」と頭を下げた。

 会見で塩井氏が陳謝するのは初めて。同氏が昨年、「自主回収は悪ではない」と発言後、県内外の配置薬業者から批判の声が上がり、11日の薬連大会でも苦言があったことを考慮したとみられる。

 廣貫堂は昨年10月に10製品、11月に14製品の回収を発表し、全製品の製造、出荷を停止した。

 塩井氏は「(製造方法などを)改善し、段階的に出荷を始めているが、(現時点で)ほとんどの製品は再開できていない」と説明した。昨年末までに全製品の点検を終え、報告書を提出したが、試験の見直しなどを求められているとした。

 大半の製品の出荷再開に関しては、指摘事項に対応でき次第になるとし、同社が設立を働き掛けた「第三者委員会」が報告書を検証すると説明した。

 ●「謝罪遅すぎる」「お客に頭下げて」薬連・配置薬部会

 県内の配置薬販売業者で組織する薬連の配置薬業部会は12日、全体会を開き、塩井氏が陳謝した。終了後、出席者は「謝罪が遅すぎる」などと話し、憤りを隠さなかった。

 全体会は非公開で約2時間開かれた。会合を終えた役員は「もっと早く謝ってほしかった。10年、100年と廣貫堂を信用して薬を使い続けてくれたお客さんにこそ頭を下げてほしい」と求めた。

 別の役員は「薬の品質を信用できず、配置薬を引き上げたお客さんが多い。売り上げが半分になった」と苦境を語った。多くの製品の出荷停止に関しては「えらい迷惑だ。コロナで商売がやりにくくなっているのに、これでは生活していけない」と述べた。

 薬連事務局などによると、全体会には約50人が参加し、塩井氏は部会側の求めに応じて出席した。廣貫堂問題の説明と質疑に約1時間半掛かった。

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