母親が倒れていた現場で当時を振り返る坂口さん=小松市八幡

 11月に小松市内の路上で倒れていた80代の母親を介抱した高校生2人に直接お礼を言いたいと、同市千木野町の坂口輝美さん(53)が2人を探している。高校生は小松市立高と小松商高の男子生徒とみられ、行方が分からなくなっていた母親を保護した。坂口さんは両校に手紙で感謝を伝え、両校も該当者を探しているが、現時点で分からず、名乗り出てほしいと呼び掛けている。

  ●11月18日午前8時、八幡の市道 行方不明中に転倒、保護

 坂口さんによると、11月18日午前7時ごろ、坂口さんの母親はデイサービスの送迎車に乗り遅れたと勘違いし、同市軽海町の自宅兼工場を出た。出勤した社員が母親の靴がないことに気付き、付近を捜したが、見つからなかった。

 午前8時ごろ、実家の工場に向かっていた坂口さんが工場から南西に約400メートル離れた同市八幡の市道を通ると、人だかりができ、母親が介抱されているのを見つけた。駆け寄った坂口さんに対し、居合わせた人は男子生徒2人を指さし「あの2人が最初に見つけ、助けていた」と伝えた。

  ●両校に手紙も該当者分からず

 2人は小松市立高と小松商高の制服を着用していたが、後ろ姿しか見えず、お礼を言う前に立ち去っていた。直接感謝を伝えたいと両校に問い合わせたが、該当者は分からず、代わりに手紙を届けた。

 母親は病院で手当てを受け、大事には至らなかった。現場は朝晩を中心に車の往来が多い場所だけに、坂口さんは「車にはねられていた可能性があると思うと、とても恐ろしい」と振り返った。

 当時、居合わせた2人以外の生徒から連絡を受け、現場に駆け付けた小松市立高の三藤加代子校長(57)は教員を通じて該当する生徒がいないか探したが、現時点で分からないという。

 三藤校長は「自発的に困っている人を助ける行動を誇らしく思う。無理強いはしないが、ぜひ名乗り出てほしい」と話した。

 小松商高の山本民夫校長(59)も「地域に貢献する人材の育成を目指す学校の理念を広い意味で体現してくれた。大変誇らしい」と語った。

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