●政府の二転三転にため息

 政府による18歳以下への10万円相当給付を巡り、入善町は16日、所得制限せずに全額を現金で一括給付することを決めた。富山新聞社の調べでは、同日現在、富山県内で同町を含む13市町村が全額現金支給する方針を固めたことが分かった。政府の現金給付容認を受け、「クーポン」より事務負担が少ない「現金」にかじを切った自治体が多く、関係者からは指針が二転三転する政府に「もう少し早く決めてほしかった」とため息も漏れた。

 15日時点で全額現金給付の方針を示したのは7市町村にとどまったが、同日午後になって政府が全国自治体に一括給付を容認する方針を通知。現金給付に踏み切る自治体が増え、16日までに富山、射水市を除く13市町村が全額現金支給の方針を固めた。富山、射水両市も全額現金給付できるか検討を進めている。

 ●撤廃分は町の負担

 入善町は16日の町議会本会議で、現金給付費を盛り込んだ補正予算案を追加提出し、可決された。政府は年収960万円未満を給付対象としており、約80人と見込まれる町内の所得制限対象者分の計800万円は町負担となる。23日に中学生以下に一括で全額、それ以外は年明けの支給を予定する。笹島春人町長は「公平公正の観点から町独自の支援策としたい」と述べた。

 砺波市は16日、10万円全額の現金一括給付を発表した。氷見市は、24日に中学生以下と中学生のきょうだいがいる高校生に全額を一括給付する。16日、2億6326万円の補正予算を専決処分した。

 魚津市は23日に10万円を一括給付するため、20日の市議会本会議に補正予算案を提出する。

 高岡市も15歳以下に28日、16~18歳には来年1月中に一括給付を始めることを決めた。3日の市議会本会議で12億2千万円の補正予算案を既に可決しており、市は残り11億9050万円の補正予算案を23日の本会議に追加提出する。角田悠紀市長は「子育て世帯から現金の一括給付を望む声が多かった」と説明した。

 上市、立山町は24日に中学生以下への現金一括給付を予定する。上市町は16日の町議会本会議に補正予算案を急きょ提出し、可決された。

 手続きや使い勝手の利便性から、全額現金給付とした市町が目立った。クーポンの手続きは煩雑で、氷見市の担当者は「現金一括給付の方が事務手数料が少なくて済む」、小矢部市の担当者も「現金の方がいち早く対応できる」とメリットを挙げた。

 「もっと早く国に方針を固めてほしかった。ころころ変えないでほしい」と苦言を呈したのは南砺市の担当者。上市町の担当者は「クーポンか現金のどちらになってもいいよう国の指針を待っていた」と話した。

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