●能登町は南南西に1センチ移動 

 今年に入り地震が66回頻発している珠洲市で、約3センチの地殻の隆起が確認されたことが10日、文部科学省の地震調査研究推進本部(東京)への取材で分かった。能登町では南南西に約1センチの地殻移動もみられた。2007年の能登半島地震前後を含め、この規模の変化が確認されたのは初めて。推進本部は活発化する地震活動と関連があるとして、「一連の地震は当面続く」との見通しを示した。

 地震調査研究推進本部によると、国土地理院が設置する珠洲観測点(珠洲市)と能都観測点(能登町)の衛星利用測位システム(GPS)のデータを検証した結果、昨年12月ごろから、地殻の隆起や移動が起きていた。わずかな地殻変動が確認されることはあったが、これほど大きな変化はないという。

 珠洲を震源とする地震が活発となった昨年12月ごろ、地殻が変動したとみられる。同本部の担当者は「これまでの地震の状況を見ると、群発地震と何らかの関係があると考えられる」と説明した。

 推進本部によると、珠洲で発生している地震の範囲は、大きく四つの領域に分けられ、今年は9月16日に震度5弱を観測した地震の西側の活動が活発となっている。昨年は内浦沿岸部や内陸部での活動が盛んだった。

 珠洲市と周辺を震源とする震度1以上の地震は今年、1~4月がゼロか1回だったものの、8月に14回、9月に8回、10月に13回、11月に10回を観測し、12月は9日時点で5回となっている。

 揺れが小さく、人が感じない無感地震をみると、珠洲市正院町で秋から再び増えており、依然活発な状況が続いている。

 群発地震が続く状況について金沢地方気象台は、落ち着くまでは数年かかるとの見解を示している。阿曽俊之地震津波防災官は「現在も収束の様子はなく、いつまで続くか見通せない。引き続き、耐震対策や食品の備蓄などを怠らないでほしい」と話した。

 ★地殻変動 地球の表面を形づくる地殻に応力が加わることで、地殻の位置が移動する現象。移動の結果、土地の隆起や沈降、傾斜や伸縮が起こる。地殻は衛星利用測位システム(GPS)や水準測量、三角測量などで観測されており、地震の研究や予知、プレート運動の研究に生かされている。

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