インタビューに答える山野市長=金沢市役所

 来年12月9日に3期目の任期満了を迎える山野之義金沢市長は8日、残り任期が1年となるのに合わせ、市役所で北國新聞社のインタビューに応じた。出馬意欲を明言している来年春の知事選については「既に2人が出馬表明しており、状況をよく考えて判断する必要がある」と述べ、慎重に検討していることをにじませた。今任期限りで市長職を退く考えに変わりはないと強調し、後任の市長には「都市の個性を磨いてほしい」と望んだ。

  ●三つどもえ心配の声

 山野市長は、知事選の態度表明の時期に関して「支援者と意見交換を行っており、全く決めていない」とこれまで通り答えた。

 支援者らからは出馬への期待や激励の声が多く寄せられる一方、既に出馬表明している自民の馳浩元文部科学相、山田修路参院議員との三つどもえの選挙戦を心配する意見もあると明かした。「現職の市長であり、自分の選挙のことだけを考えるわけにはいかない。慎重に判断しなければならず、まさに思案の最中だ」と述べ、悩ましい胸中をのぞかせた。

 知事選出馬を後押しする声に対しては「自分の仕事を評価してもらっており、大変うれしい」とした一方、仮に出馬する場合、市長を辞職する時期によっては知事選と市長選が同日に行われる可能性があることについては「知事選出馬はそのことも含めて検討する必要がある」と語った。

 馳氏を「国会議員時代から教育や福祉に精力的に取り組んでこられた。市政にも力を貸してもらい、敬意を抱いている」と評し、山田氏に対しては「市の施策に活用する森林環境譲与税の創設にリーダーとして携わり、市の魚食推進にも助言してもらった」と述べた。

  ●参院補選出馬は否定

 知事選に出馬しなかった場合、市長退任後の身の振り方を聞くと「何も考えていない。今は市長の仕事に全力を傾けるだけだ」と言葉を選んだ。山田氏が辞職した場合、来年4月24日に行われる参院補選への出馬については「全く考えていない」と否定した。

 3期11年の市政運営を振り返り、「山出保前市長が大切にされたコミュニティーの絆の強いまちづくりを進め、金沢の建築文化の発信や子育て支援策、市町の広域連携に取り組んだ」と成果を強調。誰よりも現場に近い市長を目指し、各種行事への出席や市の出先機関に顔を出したことにも胸を張った。残り1年の任期中に「木の文化都市・金沢」を推進する条例を制定したいと意気込みも述べた。

 後任の市長には、デジタル化の進展など社会の変化に問題意識を持って対応し、的確な指示ができる人物が望ましいとし、「これまでのまちづくりのベクトルに沿った形で、金沢の魅力をさらに磨き高めてほしい」と期待を寄せた。

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