都内で父知幸さん(右)と祝杯を挙げる中村選手(知幸さん提供)

 アマチュア相撲日本一を決める大舞台で中村泰輝(だいき)選手(日体大)が輝いた。5日、昨年8強で終わった全日本選手権で悲願の優勝。192センチ、170キロを誇る大器は「変わろうと思った1年。久々に光を浴びた感じ」と最高の笑みを浮かべ、夜は都内のジンギスカン専門店で父知幸(ともゆき)さん(45)と祝杯を挙げた。

 津幡小で力を磨き、中学から新潟で鍛え、海洋高時代から逸材と注目されてきた。だが、2年前に学生横綱になって以降、調子を落とした。救いは故郷の両親だった。知幸さんは「お前は強い。どんと構えて堂々と自信を持て」と電話で励まし続けた。

 迎えた本番、試合前に「自分の相撲を取れば大丈夫」と言い聞かせるように語る表情に父は勝利を確信。その通りの快進撃だった。

 津幡小1年で相撲を始め、相撲の月刊誌が愛読書だった。「小さいころから私より詳しかった。なぜかアマチュア相撲が好きだった」と知幸さん。津幡町庄の実家でテレビ観戦した母朋子さん(46)は、コロナ禍の昨年4~6月、息子が自主トレで帰省した際「冷蔵庫がすぐに空っぽになって大変でした」と振り返り、「本当にうれしい。大好物の豚足やみそ鍋をごちそうしたい」と涙を流して喜んだ。

 日体大の斎藤一雄監督は「将来は大相撲の横綱を目指す。ここは単なる通過点」と太鼓判を押す。5日、故郷の津幡町では新型コロナウイルスの影響で延期されていた成人式が行われた。21歳の中村選手は「地元のみんなにいい報告ができる。さらに強くなって来年も勝ちたい」と晴れ晴れとした笑顔で言い切った。

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