北陸初の木造中高層集合住宅を整備する第5期街区完成イメージ図

既に供用されているパッシブタウン第1~3街区=黒部市三日市

 ●パッシブタウン整備で計画、23年着工

 YKK不動産(東京)は2日、黒部市三日市で整備を進める「パッシブタウン」で、北陸で初めて木造の中高層集合住宅を建設し、春から秋の太陽光発電で得た余剰電力を冬に活用する水素エネルギー供給システムを導入する計画を発表した。国内の集合住宅で同システムの導入は初めてとなる。パッシブタウンを完成させる最終段階と位置づけ、2023年着工、25年3月の完成を目指す。

 中高層建築は従来、耐火性や強度などから木材が使われていなかったが、技術開発で利用が可能になった。YKK不動産は二酸化炭素(CO2)を吸収する木材の活用に加え、水素を介した新エネルギーシステムの構築に挑み、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現につなげる。

 新たな整備地はパッシブタウンの第5期街区で、敷地面積は約1万6千平方メートル。総事業費は約50億円を見込む。

 計画では、木造の集合住宅を6、7階程度で4棟建設する。いずれも賃貸住宅で計90戸を予定する。県産材を利用し、地元の森林組合と連携して植林も推進することで森林資源の循環活用を図る。

 水素エネルギー供給システムは太陽光発電の余剰電力で水を電気分解して、生成した水素を貯蔵し、必要に応じてエネルギーとして利用する。

 今回の整備に当たり、近代的木造建築の世界的先駆者で、水素エネルギー供給システムにも関心を寄せるヘルマン・カウフマン氏(オーストリア)を設計者に迎えた。都内で国内最大の木造ビルを建設する竹中工務店が5期街区の基本・実施設計を担う。

 YKKグループ創業家の吉田忠裕YKK不動産会長らが2日、オンライン記者会見で計画を発表した。

 YKKグループは13年、自然エネルギーを取り入れた「パッシブデザイン」で整備する「まち・住まいづくり」構想を発表した。社宅跡約3万6千平方メートルを活用し、16、17年に全117戸の第1~3期街区を建設した。第4期街区は保育園を建設中で、22年3月の開所を予定する。

 第5期街区は、2、3街区の裏に位置し、集合住宅と100台分の駐車場を整備する。

無断転載・複製を禁じます