新しい技術を用いて製作した小型(上)と大型(下)2種類の「菅のスピーカー」=高岡市麻生谷の高岡民芸

スゲを編み込む前の大型スピーカーの骨組み

 高岡市福岡町特産で国伝統的工芸品「菅笠(すげがさ)」の製作販売を行う同市麻生谷(あそうや)の「高岡民芸」は、県外の音楽クリエーターと協力し、スゲ製のスピーカーを完成させた。3次元(3D)データを駆使してスゲを編み込む新技術を考案、モダンさの中に和の風合いが感じられる仕上がりを実現した。これまでにないスゲ製のインテリアとして販路を開拓し、高岡の伝統工芸品をアピールする。

 ●音楽クリエーターと連携

 スピーカーは大小2種類を作った。大型の製品は直径66センチの円盤形で、筒状のスピーカー本体を2枚の菅笠で上下から挟み込んだようなデザイン。2枚を重ね合わせるのではなく、つなぎ目のない美しい袋状の仕上がりを求めて、立体造形に有効な3次元CAD(コンピューター利用設計システム)を駆使した。

 CADで打ち出したデータを基に、U字型の竹で構成した骨組みに沿ってスゲ1本1本を編み込む新しい技術を考案し、緻密に隙間なく編み込んでいき、円盤型の立体を作り上げた。スピーカーは床や台の上に置いて利用する。

  ●小型は天井からつり下げ

 小型は直径42センチで、スピーカーに菅笠をかぶせたようなデザイン。従来からある菅笠を改良し、内側に紙製のスピーカーを取り付けて、天井などからつり下げられるようにした。

 「菅のスピーカー」の製作は、伝統工芸職人と首都圏作家による高岡市の協働事業「クリエーターズ・ミート・タカオカ」の一環となる。高岡民芸の中山孝志社長とスゲの生産者である妻の有希子さん、音楽クリエーターでアーティストの若狭真司さん(神奈川県)、プロダクトデザイナーの黒野真吾さん(東京)が力を合わせた。今後、早期の製品化を目指す。

 中山社長は「菅笠の中から音が降ってくるイメージで、雨風をしのぐ本来の使い方とはまるで異なり、意外性の面白さがある。新たな技術の蓄積にもつながった」と語った。

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