意見交換する駐日大使と地元農業者=26日午前10時45分、能登町の春蘭の里

  ●農家民宿、茶道用の炭生産…

 世界農業遺産国際会議は2日目の26日、会議に参加しているブルキナファソ、セネガル、ペルーの3カ国の駐日大使が能登町の農家民宿群「春蘭(しゅんらん)の里」を訪れ、奥能登の農業関係者と懇談した。世界農業遺産の認定を目指す3カ国の大使は農家民宿や収益性の高い農業の仕組みを学び、里山保全と地域振興を両立させる能登の取り組みに理解を深めた。

 春蘭の里実行委員会の多田喜一郎事務局長、大野製炭工場(珠洲市)の大野長一郎代表、農業生産法人ファーマー(輪島市)の社員宮崎隆司さんが世界農業遺産認定後の10年間の効果や振興策を説明した。

 多田さんは田舎の家を利用し、地域の食べ物を提供する農家民宿の仕組みを説明し「年間に1万人が訪れるようになり、農家の暮らしが体験できることで多くの人に満足してもらっている」と手応えを語った。

 炭の需要が減少する中、付加価値の高い茶道用に特化した炭を生産する大野さんは「木炭用の植林も進めることで耕作放棄地の解消にもなり、植物の多様性にも貢献できる」と説明した。

 宮崎さんは中山間地の農業は傾斜が多く、平地より区画が狭いと指摘。課題を克服するため建設機械メーカーと連携したブルドーザーの導入やドローン(小型無人機)を活用した農業に取り組んでいると紹介し「省力化で収益性の高い農業ができる」と話した。

  ●大使「自国で提案」

 3カ国の大使は「世界農業遺産の認定後、能登で活気が生まれていることが分かった」「能登のさまざまな取り組みが活用できるよう自国でも提案していきたい」などと話した。

 最後に谷本正憲知事が「能登の中山間地ではハンディをメリットに切り替える工夫をしてきた。地域の魅力を掘り起こすことが活性化につながる」と総括した。

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