石川県は23日、県内で新型コロナウイルスの感染者が確認されず、治療中だった2人が退院したと発表した。入院・療養中の患者は、昨年2月に県内で初めて感染者が確認されて以来、1年9カ月ぶりにゼロになった。専門家はワクチン効果の表れだとした上で、「これから感染が広がりやすい冬を迎える。感染者がいないこの状態を継続するため、基本的な対策は徹底してほしい」と呼び掛けている。

  5日連続感染なし

 県専門家会議座長の谷内江昭宏金大附属病院副病院長は、県内で感染が収まり、理想的な状態だと指摘。ただ、ワクチンを早期に打ち終えた医療従事者や高齢者は効果が弱まってきているとし、「感染が広がっている海外から持ち込まれる可能性もある。3回目の接種を適切に実施していく必要がある」と述べた。

 県内では昨年2月21日に初めて感染者が確認され、第1~5波を経て、今月23日までに累計7968人に上った。退院者は7817人、死亡者は129人で、感染判明後に県外の医療機関などに移ったのが22人だった。クラスター(感染者集団)は111件だった。

 昨年2月21日以降、今月22日まで641日間にわたり、医療機関や療養ホテル、自宅などで患者が治療を受けている状態が続いていた。インド由来の変異株「デルタ株」の影響で爆発的に感染が広がり、国の「まん延防止等重点措置」の適用を受けた第5波(今年7~9月)には、7月28日に1日として過去最多となる119人の陽性が報告された。

 8月5日には入院・療養者は939人とピークを迎えた。県は病床の逼迫(ひっぱく)を防ぐため、県立中央病院(金沢市)に症状に応じて感染者を入院させるかどうかを判断する「メディカルチェックセンター」を設置。宿泊療養ホテルだけでなく自宅療養も積極的に活用することで、病床使用率は55・4%にとどめることができた。

 第5波が収束し、10月以降は感染者が激減。月別感染者では最多だった8月は2147人だったが、10月は117人、11月は23日までで5人となった。県内でワクチンを2回接種し終えた人は、10月末時点で対象人口の79・0%に当たる80万8681人となった。

 23日は午前10時までに99件の検査が報告され、いずれも陰性だった。感染ゼロは5日連続。県指標は病床使用率が0%に改善し、残り3指標はいずれも前日から変化はなかった。北野喜樹県健康福祉部長は「状況を楽観視せず、警戒を続けたい」と述べた。

 富山県は22日連続、福井県は14日連続で陽性者はいなかった。

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