クマが駆除された民家横の雑木林=富山市楡原

 ●冬眠前、活発化で注意

 11日午前7時15分ごろ、富山市楡原の住宅街に近い雑木林で、住民が成獣のクマ1頭を目撃した。同市鳥獣被害対策実施隊が通報を受けて駆け付け、同9時35分に猟銃で駆除した。けが人はいなかった。現場は神通碧小、楡原中に近く、教諭が通学路の警戒に当たるなど対応に追われた。県は冬眠前のクマは餌を求めて活発になるとして注意を呼び掛けている。

 富山南署などによると、駆除されたクマは雌の成獣で体長約1・5メートル、体重約60キロ。実施隊や富山南署、市から計28人が駆け付けたところ、クマは民家横のケヤキの木に登っていた。安全確保のため付近の道路を封鎖し、隊員が民家2階からライフル銃で駆除した。

 現場は神通碧小、楡原中から南に約500メートルの住宅街そばにある神通川沿いの雑木林。周辺にはほそいり保育所もある。児童の登校時間帯だったため、神通碧小と楡原中は教諭計3人が車で通学路を巡回し安全確保に努めた。クマが駆除されるまで児童、生徒は校外に出ないよう徹底した。

 現場から約30メートル離れた住宅の主婦坂井光枝さん(70)は「子どもたちがけがをしなくて良かった」と安堵(あんど)した。近所の主婦吉田澄子さん(79)は2年ほど前にクマを目撃したことがあるとし「外に出る時は気を付けたい」と話した。

 11日は富山市岩稲の林道付近でクマのふんや柿の木に登った痕も見つかった。

 富山県自然保護課によると、県内のクマ目撃・痕跡情報は10月末時点で計158件を数え、統計のある2004(平成16)年以降で6番目に少ない。目撃は130件(前年同期比259件減)、ふんや足跡などの痕跡は28件(同101件減)となっている。

 担当者は今年は餌となるブナが例年並みに育っているため、大量出没の可能性は低いとの見方を示した。その上で冬眠前のクマは餌を求めて行動範囲を広げることがあるとし「柿の木の近くは危ない。朝夕の時間は特に気を付けてほしい」と注意を呼び掛けた。

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