現場付近で当時を振り返る高川さん(右)と川﨑さん=金沢市松村4丁目

  ●一般参加の外科医・高川さん 北陸大ボランティア・川﨑さん

 金沢マラソン(石川県、金沢市、北國新聞社など主催)で、一般参加の県立中央病院整形外科医高川真伍さん(32)とAEDボランティアの北陸大3年川﨑茉由さん(21)が、40キロ付近で心臓が止まって倒れた愛知県一宮市の会社員丹下良治さん(60)を心肺蘇生で救った。2人は救急車が来るまで電気ショックや心臓マッサージを繰り返した。丹下さんは「感謝してもしきれない」と話している。

 マラソン歴24年の丹下さんは10月31日午後1時15分ごろ、40キロに差し掛かる金沢市の県道松村4丁目交差点近くの路上で、急に意識を失った。偶然、丹下さんの隣を走っていた高川さんは立ち止まって他の看護師ランナーらとともに心肺蘇生を始めた。

 倒れた場所から数メートルの沿道に待機していた川﨑さんは、すぐにAEDのスイッチを入れた。脈拍と意識がなく、けいれんを起こしていた丹下さんは、2度目の電気ショックで脈が戻り、救急車が数分後に到着した際には意識が回復した。

 丹下さんはその後、搬送先の県立中央病院で狭心症と診断され、5日に手術を受けて7日には無事に退院した。

 高川さんは救急隊員に引き継いだ後、再び走り始め、4時間51分59秒でゴールした。「意識が戻った時は本当に安心した」と話した。川﨑さんは大学サークルの活動でボランティアに参加し、事前に日本赤十字社県支部のAEDの取り扱い講習を受けていた。「まさかAEDを使うことになるとは思わなかったけど、学んだことを生かせてよかった」と話した。

 組織委によると、金沢マラソンでは、医師や救急隊員477人の救護体制で、コース上にはボランティアのAED隊や救護所に78台のAEDを準備していた。

  ●「感謝しきれない」

 丹下さんは恩返しの意味を込めて来年の大会はボランティアでの参加も考えている。「金沢の皆さんに助けられた。頭が上がりません」と感謝した。

 ★AED(自動体外式除細動器) 心停止状態の人に電気ショックを与えて救命する医療機器。2004年7月から一般市民も使用できるようになり、駅や学校などの公共施設に設置されている。電気ショックの成功率は1分ごとに約7~10%低下するとされ、急病人に素早く活用することで、救命率が高まる。

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