西村卓也 京大准教授

  「ひずみ」から原因解明

 京大防災研究所の西村卓也准教授は27日までに、今年に入って地震が50回頻発している珠洲市と周辺で、衛星測位システム(GPS)を利用した地殻変動の観測を開始した。地下の「ひずみ」のデータから地震の原因に迫ろうと、金大と協力して4カ所の観測点を設置し、24時間体制でデータを収集している。西村准教授は「地殻の動きが急に止まるとは考えにくい。今の状況が数カ月は続くのではないか」と警鐘を鳴らしている。

 西村准教授は9月上旬、金大の平松良浩教授(地震学)と協力して、珠洲市の大谷小中、日置(ひき)ハウス、みさき小、能登町柳田中に観測点を設けた。

 内陸地震は、地殻の移動によってひずみがたまり、ある時、限界を超えて破壊や変形が起き、発生する。地殻の動く速さは年間数センチと非常にゆっくりで捉えにくいが、1990年代以降にGPSの技術が進化し、水平方向は2、3ミリ、垂直方向は1センチほどの誤差で動きを観測できるようになった。

 全国には、国土地理院が設置したGPSの観測点が1318カ所ある。そのうち石川県内は18カ所で、珠洲市内は野々江総合公園内の1カ所。珠洲の群発地震を受け、西村准教授はこれら既存の観測網だけでは詳細な分析ができないと判断し、臨時の観測点を設けることにした。

 これまでのデータから西村准教授は「震源集中域付近の地下約15キロに水などの大量の流体が入り込んで膨らんでいるモデルを考えると、今の動きが説明できる」と一つの見方を示す。

 そうした動きの原因として、古い火山の影響などが考えられるが、能登に火山はない。西村准教授は「あまり見たことのない珍しい現象であり、今後の推移に注目したい」と述べた。

 珠洲市では26日午後11時48分ごろにも正院町で震度1の地震があった。止まらない揺れに市民からは「いつ収まるのか」「気持ちが悪い」との声が聞かれる。

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