入荷されたマツタケ=珠洲市のJAすずし宝立支店

 石川県内のマツタケの主要産地である奥能登の珠洲市や能登町で、収穫量が大きく落ち込んでいることが25日、関係者への取材で分かった。最盛期の10月中旬を過ぎても増えず、1日当たりの入荷は多い日で5~6キロと、昨年の10分の1にとどまる地域もある。県農林総合研究センターによると、10月中旬まで続いたマツタケ山の気温が下がらなかったことが原因とみられる。収穫は来月上旬まで続くが、「大不作」の恐れも出てきた。

  山の高温で生育進まず

 珠洲市のJAすずし宝立支店ではマツタケの入荷は今年、ピーク時に約35キロが持ち込まれた昨年と比べると8割以上減となっている。昨年は10~11月に計187キロの入荷があったが、今年は10月25日時点で76キロ。澤村亮一支店長(50)は「去年の半分にも届かなそう」と語った。

 同支店によると、今年の出足は例年より1週間から10日ほど早く、初物は9月23日だった。澤村支店長は「信州などで豊作との情報があり、順調な収穫を期待していたが、10月中頃まで続いた高温で生育が進まなかった」と説明した。

 価格も高騰しており、1キロ当たり10万円を超える。

 能登町行延(ゆきのべ)のJA内浦町の農産物直売所「おくのといち」では、不作で店頭にマツタケを並べられずにいる。入荷は昨年のピーク時の50~60キロから激減し、10月の平均入荷は1日2キロ程度で、25日は6本のみだった。

 農産物直売所「おくのといち」で、キノコ類を担当する青果販売指導員南口敬太さん(36)は「最近になって気温が低下して調子が戻ると思ったが、そうでもない」と肩を落とした。

 県農林総合研究センターの担当者は、マツタケは気温19度を下回ると成長が進むとして、「9月末から10月初旬の高温が不作の要因の一つ」と指摘する。

  11月収穫増の年も

 気象庁によると、珠洲市の9月の平均気温は21・5度で、昨年同月の23・7度を下回った。ただ10月1~15日は25度以上の日が7日間あり、15日間の平均気温は19・9度で、昨年同期は18・2度と1度以上高かった。収穫は例年11月上旬まで続き、11月に入ってから収穫量が増える年もある。

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