氷で涼、瀬音と楽しむ
「ミシュランガイド北陸2021特別版」で二つ星を獲得した料亭穂濤(ほなみ)(金沢市清川町・旧杉の井)が本店です。店内奥の一面のガラス窓からは、小庭と辰巳用水の石垣を臨めます。犀川から注ぐ用水の瀬音が心地良く、金沢に息づく料亭文化に触れることができます。

気温が上がると、つぼみの前には長い列ができます。お目当てはかき氷。白桃を煮詰めたコンフィチュールが人気で、果実の食感を楽しめるよう粗くカットしてあります。空気を含ませた氷はふわふわとして、口に含むとスッと溶けてしまいます。
つぼみで使う水は毎朝、穂濤の敷地内にある井戸から100リットルほどくみ出します。それを一日寝かせて冷やし、口当たりを柔らかくします。名物は吉野(奈良県)の本葛を使った葛きり。穂濤でも提供されます。井戸水を使った葛きりは透明感があり、見た目に涼しげ。黒蜜に泳がせて口に入れると、深みのある甘みと心地良さを残し、するりとのどに滑り込みます。

平日でも200人は押し寄せるという客のほとんどが県外から。店主の越沢晃一郎さん(64)からは「本当は地元の皆さんに楽しんでもらいたいのですが」と、うれしい悲鳴が聞こえます。
柿木畠3-1
11:00~18:00(17:30ラストオーダー)
定休日/水曜日
※営業時間や定休日は、ホームページなどで最新情報をご確認ください。(価格はいずれも税込み)