仏具である香炉を再生して製作した植木用のポット=高岡市御旅屋町の芸文ギャラリー

 1950年代から90年代に製造された高岡銅器の仏具を改良し、植木用のポットなどに再生する取り組みが高岡市内の仏具メーカーで始まった。本来は溶かして別の製品の原料として再利用するが、細密な模様が特長である過去のデザインに現代ふうの着色を施して商品化。過去と現代の職人技を融合させた新しいインテリア用品として提案し、「高岡職人」の手仕事の素晴らしさを伝えていく。

  ハシモト清が提案

 商品開発に乗り出したのは、1945(昭和20)年創業の仏具メーカー「ハシモト清」。問屋として原型から鋳造、塗装、彫金を一貫して生産管理している。

 完成品の仏具は職人からいったん引き取って市場に供給するため、需要動向によって売れなかった製品も多い。橋本卓(たか)尚(ひさ)社長が昨年3月ごろ、本社の倉庫を調べたところ、香炉や燭台、花瓶など50~90年代に製造された約千点を確認した。

 香炉には釈迦やハス、クジャクの細密な模様などが施されていた。シンプルなデザインが主流の現在の銅器業界では見ることが少なくなった緻密な手仕事が見られた。

 こうした製品をそのまま廃棄してはもったいないと考えた同社は、新製品の開発に着手。植物を植えることができるように底面に水抜き用の穴を数カ所開け、「わびさびポット」と銘打って製品化した。

  16日から初展示

 わびさびポットは観賞用のサボテンや食肉植物を植えるなど、仏具とは異なった用途で提案する。燭台はアロマセラピー用の入れ物やランプとしての活用を検討する。16日から31日まで高岡市御旅屋町の芸文ギャラリーで開く「わびさびポット展」で初展示する。

 今後、日本の伝統工芸の人気が高い欧州などでも販路を開拓する考え。事業は「#サイレンスラボ」と銘打ち、クリエーティブディレクターの上野賀永子さん、カイジュウインクさん、勇印工房の田中誉人(たかひと)伝統工芸士らが協力した。橋本社長は「仏具とは違った市場を広げることにより、職人の技を未来に残していきたい」と期待した。

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