悪魔払いの写真を持ち寄った森田さん(右から2人目)と土本さん(左)=金沢市北安江2丁目の安江住吉神社

 金沢市北安江地区でかつて営まれていた神事「悪魔払い」の衣装や道具が見つかり、由緒などを知るため手掛かりを求めていた安江住吉神社(北安江2丁目)に12日までに、続々と情報が寄せられている。当時を知る住民の証言のほか、1945(昭和20)年の終戦前後に撮られた写真も寄せられ、神社関係者は埋もれた伝統行事の復活につなげたいと意気込んでいる。

 写真を保管していたのは、神社周辺に住む元小学校教諭森田昭太郎さん(93)=北安江3丁目=と、元鉄道職員土本毅さん(78)=同所=。2人は神社が情報を求めていることを北國新聞の記事などで知り、写真を持ち寄った。

 森田さんが保管していたのは終戦直後の秋祭りでの集合写真。神社で見つかった衣装や面、太刀、弓、まさかりなどの道具を備えた青年会員が収まっており、当時17歳だった森田さんも写っている。

 森田さんは青年会員でなく、悪魔払いに参加したことはなかったが、毎年の秋祭りで会員が氏子町会を一軒ずつ回り、家の前で厄払いの演舞をしていたことを記憶している。森田さんは「笛や太鼓が鳴り響き、子どもも大人も立ち見してにぎわっていた」と懐かしむ。神事は終戦後ほどなく、いつの間にか行われなくなったという。

 土本さんは1912(明治45)年生まれの父幸一さんが写る集合写真を所持していた。尾山神社境内の池「神苑」に掛かる太鼓橋での1枚で30年代に写されたとみられる。写真右の旗上部には、百万石まつりの前身で、23(大正12)年~45年に行われた「市祭」の文字が見え、祭りに参加していたことがうかがえる。

 神社にはこのほか、70~90代の住民から証言が寄せられた。集まった情報はまとめて冊子にすることも検討しており、氏子総代の髙江茂さん(53)は「昔の情景が分かる貴重な証言が集まった。悪魔払いを復活させたい」と話した。

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