感染症問題をテーマとした講座=北國新聞20階ホール

 日本海イノベーション会議の石川県立大プログラム「感染症問題への取り組み」(同大、北國新聞社主催)は10日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれ、教員3氏が食の観点から感染症の実態を説明した。

 食品科学科の中口義次准教授は魚介類に付着し、食中毒を起こす腸炎ビブリオとコレラ菌を解説した。すしや刺し身の生食が東南アジアにも広まっているとし「食習慣の変化で、次なるパンデミック(世界的大流行)が発生する恐れがある」と指摘。病原体への理解や低温管理の徹底を呼び掛けた。

 食品科学科の榎本俊樹教授は食を通じて菌を抑えたり、体の免疫を高めたりする事例を挙げた。ハトムギ茶に含まれる成分がインフルエンザウイルスの増殖を阻むとの研究を示した。予防や治療はワクチンや薬が前提とした上で「食品は副作用がなく、優位性もある。治療との併用など医農連携での研究を期待したい」と述べた。

 生産科学科の橋谷田豊教授はウイルス性の家畜伝染病を解説し、2010年に宮崎県を襲った口蹄疫(こうていえき)をはじめ、鳥インフルエンザや豚流行性下痢(PED)などと対峙(たいじ)した経験を振り返った。「病原体を持ち込まない、広げない、持ち出さないことが人も家畜も基本だ」と強調した。

無断転載・複製を禁じます