展示される白鳥のヘッドマーク=小松市の土居原ボンネット広場

大阪から到着した特急「白鳥」の一番列車=1961年10月1日、金沢駅

  小松のボンネット型保存会

 北陸線で初の特急列車だった「白鳥」の運行開始から1日、60年の節目を迎えた。金沢―大阪間は当時、準急や急行で6~7時間かかっていたが、約4時間に短縮され、北陸と大都市圏の行き来が急増するきっかけとなった。往時の雰囲気を再現したいと、小松市の「ボンネット型特急電車保存会」は3日から、白鳥のヘッドマークを同市で保存展示している特急車両に取り付け、「特急銀座」と呼ばれていた北陸線や名列車に思いをはせてもらう。

 特急白鳥は1961(昭和36)年10月1日に運行を始めた。当時はディーゼル車両で、大阪―青森間を16時間弱で結び、このうち大阪―金沢間は約4時間で結んだ。電車特急となった後、旅客を航空機に奪われ、通しで乗る客が減ったため、2001年に廃止された。

 展示するヘッドマークは電車化された当時と同じ縦50センチ、幅108センチで、青地にハクチョウのデザインと「白鳥」の文字が記されている。31日までの毎週日曜に小松市の土居原ボンネット広場のボンネット型特急電車に取り付ける。月曜から土曜はヘッドマークを模した別のマークを展示する。

 白鳥の人気を受け、北陸線では雷鳥やサンダーバード、しらさぎ、加越、白山、はくたか、北越などの特急列車が次々と誕生するきっかけとなった。北陸新幹線金沢開業までは数多くの特急がひしめくように走り、「特急銀座」と呼ばれた。

 白鳥の運行開始から2年後に大聖寺駅に駅員として配属された旧国鉄・JR西日本OBの嶋田俊雄さん(77)=加賀市打越町=は着任当時の様子について「ホームに温泉旅館の仲居さんが立ち、旅館の名前が書かれた垂れ幕を持って乗客を待ち受けていた」と話し、大勢の人でにぎわっていたと振り返った。

 運行が始まった当時は直江津(新潟)で車両を増結したり、切り離したりして、一部は信越線経由で上野(東京)と行き来していた。

 保存会の岩谷淳平事務局長(46)は上野までの走行経路が現在の北陸新幹線のルートに似ていると指摘し「白鳥は大阪と東京を北陸回りで結ぶ列車の開拓者といえる」と話した。

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