指名書を受け取る支援員=富山市消防局

 富山市消防局は30日、市内の各消防署から出火原因調査のスペシャリスト9人を「火災調査支援員」に選抜し、各署の管轄を越えて支援する県内初の取り組みに乗りだした。同局によると、全国的にも珍しい試みになる。近年の技術革新などにより出火原因が複雑化する中、正確に特定することで火災予防につなげる。豊富な経験を持つ支援員との活動を通して、消防士全体の能力向上を図る。

 火災調査支援員には、市内8消防署と1分署からそれぞれ1人が任命される。いずれも各署で出火原因を担当する係で長年活躍している人材を集めた。

 出火原因の調査は管轄の署が担当している。特定が難しい場合、署の管轄を越えて、複数の支援員が現場に派遣され調査に当たる。

 市消防局によると、近年、スマートフォンや電気自動車など内部構造が複雑な電気製品が増えたことで、出火原因の特定が多様化している。雷や静電気などの自然現象が原因となるケースもあり、現場の状況を正確に把握し、的確に判断する能力が求められる。

 近年、県内の出火件数は減少傾向にあり、高い技能を持つ支援員により多くの経験を積ませるとともに、各署の消防士の指導役としての役割にも期待している。

 支援員の指名書交付式が30日、富山市消防局で行われ、相澤充則局長が9人に指名書とベストを手渡した。任期は3月末まで。10、11月に、座学と実習を交えた研修を予定している。

 支援員になった富山消防署の磯野幸平さん(41)は「いろいろな現場を経験し、広い視野を持って調査できるように励みたい」と力を込めた。

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