船内から運び出されたスルメイカ=28日午前8時40分、能登町小木港

  小木のイカ釣り船被害なし 

 北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルとみられる飛(ひ)翔(しょう)体を発射した28日、石川県漁協所属の中型イカ釣り船全11隻は能登半島沖の好漁場「大和(やまと)堆(たい)」付近で操業し、一部は水揚げ作業などのため能登町小木港に向かっていた。被害はなかったが、小木の漁業関係者からは今月15日に続いて短期間に繰り返されるミサイル発射に「許せない。発射が頻発すると安全に操業できない」と怒りと不安の声が広がった。

【本記 北朝鮮日本海にミサイル】

 ミサイル発射の一報を受け、県漁協小木支所は無線局を通じて全乗組員約80人の無事を確認した。県漁協所属船は大和堆の北側や西側付近のほか、大和堆より北のロシア海域で操業していた。担当者は「違法操業の外国船が相次ぎ、漁獲量が低迷する中、ミサイル発射が頻発すると漁ができなくなる。国には安全確保に取り組んでほしい」と求めた。

 小木港に一時帰港し、水揚げ作業を進めた第68徳洋丸の平塚秀樹船長(68)=能登町小木=は「安全を脅かす行為はやめてほしい。イカの取れる場所が限られており、ミサイル発射の頻発で操業自粛を求められることになれば困る」と憤った。

 県漁協によると、当時は小木支所を拠点とする中型イカ釣り船が出漁していたが、被害の情報はない。その他に、大和堆や日本の排他的経済水域(EEZ)付近で操業していた漁船はないという。金沢、七尾両海保にも被害の情報は入っていない。

  水揚げ2割増 前年同期比

 小木港の水揚げ作業では、スルメイカ約40トンを陸に揚げ、船内で凍らせた「船凍(せんとう)イカ」が次々と運ばれた。小木支所によると、大きめのサイズが目立ち、今季の水揚げ量は前年同期より2割ほど上回っているという。

 県漁協所属船は30日まで全船が小木港に帰港し、インドネシア人技能実習生を含む乗組員計77人が2回目の新型コロナワクチンを接種する。29日は4隻、30日は1隻が水揚げを予定している。

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