地域住民を対象に開かれたカフェ=白山市河原山町

2009年に「サイクルステーション白山下」に改築された旧白山下駅

  地域交流の拠点に

 白山麓の交通の要衝だった旧北陸鉄道金名(きんめい)線白山下駅周辺のにぎわいを取り戻したいと、地元の女性有志が10月から月1回程度、駅舎を改築した施設でコーヒーや軽食を提供するカフェを開設する。かつて多くの人が行き交った場を活用し、地元住民はもとより、観光客との交流拠点にしたい考えだ。26日は住民にお披露目され、当時の思い出を語り合う人の姿が見られた。

 カフェを設けるのは旧駅舎を改築した白山市河原山町の「サイクルステーション白山下」。「かあちゃんの駅カフェ」と銘打ち、地元の上野啓子さん(68)ら60~70代の女性5人が中心となって企画した。

 上野さんらは住民にとって思い入れが強い旧駅周辺の活気を取り戻し、地域の拠点だった記憶を伝えたいと、10月から月1回程度の開催を目標に準備を進めてきた。

 白山下駅は1987(昭和62)年に金名線が廃止されるまで白山の登山客のほか、山麓の各村から鶴来、金沢方面へ向かう人が行き交った。駅前には旅館や商店、飲食店が立ち並び、上野さんは「昔は町のメインストリートだった」と振り返る。廃線後は金名線跡をたどる自転車道「手取キャニオンロード」が整備された。

 住民向けのお披露目では塩むすびやみそ汁、漬物などを振る舞った。立ち寄った住民からは「近所の人と腰を据えて話すのは久しぶり」と喜ぶ様子のほか、「戦時中、白山下から出征する人を万歳で見送った」と駅での思い出を振り返る姿が見られた。

 河原山町の川崎肇町会長(67)は「かつてとは違った形でにぎわいが戻り、白山下の記憶が次の世代に受け継がれればうれしい」と喜んだ。

 上野さんは「カフェに関わる『母ちゃん』が増えて交流が広がれば、地域の魅力発信の場にもなる」と意気込んだ。 

 ★旧白山下駅 1926(大正15)年、金沢と名古屋を鉄道で結ぶ構想で設立された金名鉄道の駅として開業し、43年、北陸鉄道に合併した。石川線加賀一の宮駅までの16・8キロを結ぶ金名線の終着駅で、87年に金名線の廃止に伴って廃駅となった。現在もホーム跡などが残っている。

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