上昇地点が目立った金沢市北部の住宅地=同市荒屋町

  商業地は下落

 国土交通省は21日、今年7月1日時点の都道府県地価(基準地価)を発表し、石川県の住宅地の平均変動率がプラス0・3%となった。前年のマイナス1・1%から持ち直し、上昇率は沖縄、福岡に続き全国3位だった。石川は2020年のドラッグストア増加率が全国トップとなり、専門家は金沢市や周辺市町で出店エリアの利便性が高まり、土地重要を押し上げたとみている。一方、商業地はマイナス1・1%で前年(同1・9%)に続き下落した。

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 県内の住宅地が上昇に転じたのは2年ぶり。前年は新型コロナの影響で住宅着工が落ち込み、変動率がプラスだったのは金沢、野々市の2市のみだった。今回は金沢、野々市に加え、小松、白山、かほく、津幡、内灘、川北の計8市町で上昇した。

  ドラッグストア増が要因

 地価調査石川分科会代表幹事の西田雄一氏は、ドラッグストアの出店増加を要因の一つに挙げ、「金沢だけでなく、幅広い地域で出店攻勢が続いており、結果として各地の暮らしやすさが向上したのでないか」と指摘した。

 新型コロナの感染拡大に伴い、首都圏で地方移住への関心が高まっており、今後の地価動向に影響を与える可能性もあるという。

  上昇上位は金沢北部

 金沢市内では、金沢外環状道路海側幹線の延伸が予定される北部や、ボウリング場「ジャンボボール」跡地の開発が進む西金沢周辺で地価上昇が見られた。県内住宅地の上昇率上位地点は、いずれも金沢市北部の荒屋町(8・0%)、金市町(7・8%)、高柳町(同)だった。

  全用途は横ばい

 県内の全用途の下落率は0・1%で、前年の1・4%からマイナス幅を縮め、ほぼ横ばいとなった。1平方メートル当たりの価格は6万5400円。平均変動率の都道府県順位は10位となり、前年の37位から上がった。

 調査対象の291地点のうち、公示地価と共通する13地点の半年ごとの変動率をみると、2020年前半はマイナス3・5%と落ち込んだものの、20年後半はプラス0・7%、21年前半は同0・2%と持ち直している。

 地価の上昇地点は前年の54地点から116地点に増え、下落地点は189地点から123地点に減った。人出の減少した歓楽街や観光地では下落が目立った。

 県内の最高価格地点は、14年連続で金沢駅東の金沢市本町2丁目の商業地となった。価格は2・9%下落したが、1平方メートル当たり100万円を維持した。

 住宅地の最高価格地点も、8年連続で金沢市本町2丁目の地点となり、価格は22万5千円(マイナス2・2%)だった。

 ★基準地価 国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点で調べる基準地の価格。不動産鑑定士が周辺の取引事例などから1平方メートル当たりの価格を算定する。国交省が1月1日時点で調べる公示地価に比べ、都市計画区域外の調査地点が多い。2021年の調査対象は2万1443地点で、うち東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県の12地点と、昨年の7月豪雨で被災した熊本県球磨村の1地点の調査を休止した。

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