祝福を受ける達田さん(中央)=金沢市鞍月東1丁目

 20日の「敬老の日」に合わせ、石川県内最高齢109歳の達田(たつだ)ヒサイさんは19日、金沢市鞍月東1丁目の特別養護老人ホーム「寿晃園」で、家族や職員から長寿の祝福を受けた。県内で2人だけとなった明治生まれで、令和まで五つの時代を生きる達田さん。職員へ「ありがとう」の言葉を忘れず、周囲に愛され、穏やかな日々を過ごしている。

【関連 高齢者最多3640万人】

 達田さんは1911(明治44)年、旧久江村(現中能登町)に3人きょうだいの末っ子として生まれた。21歳で結婚した後、金沢に移り住み、4人の子どもに恵まれた。

 三男の昭三さん(72)=同市畝田東2丁目=によると、人の悪口を言わない優しい性格で、子どもを怒ることはほとんど無かったという。夫の重男さんを1977(昭和52)年に75歳で亡くした後、息子2人にも先立たれたが、8人の孫と9人のひ孫に囲まれ、幸せに暮らしてきた。

 施設には14年ほど前に入所した。にぎやかなことが大好きで「個室よりも大部屋がいい」と希望し、現在も過ごしている。長女の南邦子さん(75)=同市金石北2丁目=は「都合が悪くなると『もう100歳やもん』と言って笑うような茶目っ気のある人」と話す。

 孫と一緒に旅行した時の写真を大事にし、白内障で目がほとんど見えず耳が遠くなった今も、孫の名前には反応するという。これまで大きな病気は無く、風邪をひいてもすぐに回復してきた。

 19日は谷本正憲知事からの祝い状と記念品が贈呈された。新型コロナの影響で約2年ぶりの対面を果たした昭三さんは「以前と変わらず元気で安心したよ」と声を掛けた。ケーキとコーヒーを口にした達田さんは「おいしいね」「おめでとう」の言葉にうなずきながら、久々に家族との時間を過ごした。

 11月3日には110歳の誕生日を迎える。邦子さんは「元気でいてくれることがうれしい。これからも長生きしてほしい」と話した。

 県内最高齢の男性は106歳の東方一雄さん(能美市)となる。

無断転載・複製を禁じます