倉庫に保管されていた悪魔払いの道具=北安江2丁目の安江住吉神社

  23日から展示、復活期待

 金沢市北安江2丁目の安江住吉神社で19日までに、かつて営まれていた神事「悪魔払い」に用いる衣装や道具一式が確認された。長年保管され、戦後まで神事が続いていたことはうかがえるものの、当時を知る氏子がおらず、由緒も不明。全く手がかりがなく、関係者は近く展示して情報を求め、埋もれた伝統行事を掘り起こし、次世代に記憶をつなげる考えだ。

 保管されていたのは、道具や衣装など計約50点。踊り手の翁、般若(はんにゃ)、天狗(てんぐ)の面と、それぞれが持つ刀、弓、まさかりのほか、「大庭悪魔拂」と書かれた旗や高下駄(げた)、錫杖(しゃくじょう)、煙管(きせる)、ホラ貝などが倉庫の長持(ながもち)に入ったままになっていた。

 中には、百万石まつりの前身で、1923(大正12)年~45(昭和20)年に行われた「市祭」の文字が記された衣装もあるほか、「祝尾山まつり」と書かれた札もあった。

  読み方、意味分からず

 悪魔払いは、弥彦婆(やひこばば)とも呼ばれる厄払いの舞で、現在は市指定無形民俗文化財として大野地区に「山王悪魔払(さんのうあくまばらい)」が残るほか、金石地区にも伝わっている。

 一方で、神社には伝承されていない。詳細はもちろん、旗に記された「大庭」の読みや意味すら分からず、氏子総代の髙江茂さん(53)が中心となり、今月から地元の住民に情報提供を求めるチラシを配布している。

 神社では今月23~25日、コロナ禍で中止した子供神輿渡御祭の代替行事として、厄払いの願いも込め、境内で悪魔払いの道具一式や虫送り太鼓、神輿などを展示する。髙江さんは「実際に見た人や写真が見つかればありがたい。できれば復活させ、地域の盛り上げにつなげたい」と話した。

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