割れたガラスの皿を片付ける店の関係者=17日午前7時50分、珠洲市飯田町

奥能登国際芸術祭2020+の作品に破損などはないか確認する関係者=同日午前9時40分、珠洲市上戸町

 珠洲市で最大震度5弱を観測した地震の発生から一夜明けた17日、石川県や市によると、けが人や建物の損壊は確認されなかった。ただ、早朝にも震度1の地震があり、商店で陳列してあった皿や酒瓶が割れる被害が判明するなど、一睡もできず朝を迎えた住民は不安を募らせた。18日は台風14号の影響で大雨に見舞われる恐れがあり、地盤が緩んだ地域での土砂崩れに警戒が広がった。

 16日夜から同市蛸島公民館に自主避難していた女性5人は17日午前4時半ごろに自宅に戻った。5人は一睡もせず、寄り添って一晩を過ごした。新出栄子さん(78)は「頻繁に地震があって不気味だ。次はいつ地震が来るかと思うと不安だ」と声を震わせた。

 近隣に避難を呼び掛けた稲荷美能子さん(76)は「1人暮らしでは無事かどうかを確認するのは難しい。改めて隣近所の連携が大事だと感じた」と気持ちを落ち着かせるように話した。

 市中心部の飯田町商店街にある山口陶器店では、陳列棚から落ちるなどしてガラスの皿が複数枚割れ、床に散乱した。店の50代女性は「昨夜は近所の空き地に慌てて避難した。朝になるまで怖くて店の状況を確認できんかった」と振り返った。

 正院町の村元酒店では、ワインの瓶が倒れたり、割れたりした。村元美智子さん(73)は余震を警戒して、着の身着のまま布団に入ったといい、「地震だけでなく台風も来るし、生きた心地がしない」とぐったりとした表情を見せた。

 蛸島町のガソリンスタンド経営男性(55)は、朝一番にスタンドを再度点検した。「地下タンクからガソリンが漏れ出していないか心配したが、残量計に変化がなく大丈夫だった」と安心した。

 市は午前8時半から15人態勢でパトロールを再開し、病院や学校など市内各所の施設、ため池や道路の巡視を行った。防災無線で地震への注意を繰り返し呼び掛けた。

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