文字や鮮やかな映像が投影された山門=輪島市門前町の總持寺祖院

開創700年を記念して営まれた法要=輪島市門前町の總持寺祖院

 曹洞宗大本山總持寺の開創700年を記念する慶讃(けいさん)法要が12日、輪島市門前町の總持寺祖院で営まれた。今春に能登半島地震からの復興を遂げた「原点の地」で迎えた節目を祝うとともに、関係者は地域の心のよりどころとしてあり続けるため、一層の精進を誓った。

 大祖堂に読経が朗々と響く中、寺や地元関係者が焼香した。大本山總持寺(横浜市)の石附周行(いしづきしゅうこう)副貫首は、2007年の能登半島地震などに触れ、「700年の間にいろんな災難に遭ったが、その都度、大勢の皆さまが真心をこの寺に届けてくださり、きょうを迎えることができた」と述べた。

 法要に続く式典では、總持寺の乙川暎元監院(おとがわえいげんかんにん)が「現状は全て自粛に追い込まれ、結果を出せなかったが、本山に対する温かい思いを深く胸に刻ましていただきたい」と感謝した。梶文秋輪島市長が祝辞を述べた。節目を祝うために作られた歌「能登櫛比(くしひ)の里」が披露された。

 法要は参列者の数を本来の4分の1以下の70人に減らし、最小限の規模で執り行われ、祖院の僧侶を除く全員が抗原検査で陰性を確認してから参列した。開創700年に向け、總持寺は輪島市とともに門前地区の活性化や禅文化の発信に取り組んできたが、関連イベントは全て中止となった。

 内部の一般拝観は休止となり、山門に設けた記帳所で、記念の御朱印が授与された。夜には山門全体に「總持寺開創七百年」などの文字や鮮やかな映像を投影するデジタルアートや、サプライズ花火が行われ、祝福ムードに包まれた。

  商店街活性化の動き 3年後へとつなげる

 總持寺通り商店街は開創700年を商店街再浮上に向けた「最後のチャンス」と関係者が期待を寄せていたが、コロナ禍に見舞われた。一方で商店街に広場や駐車場が整備され、空きテナントが目立った通りには出店が相次ぎ、30、40代の新しい仲間が加わって活性化に向けた動きが生まれた。

 2024年には開祖・瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)禅師の700回大遠忌が控えており、總持寺祖院の鈴木永一(えいいつ)監院は「今回できなかった分も含めて、多くの方と盛大に行いたい」と話す。総持寺通り協同組合の能村武文代表理事(63)は「開創700年をきっかけに組合員の意識が大きく変わった。3年後に向けて、商店街の盛り上がりを持続させ、魅力を高めていく」と力を込めた。

 總持寺 1321(元亨元)年、行基が創建したと伝わる諸岳寺を瑩山禅師が譲り受けた。曹洞宗大本山として隆盛を極めた藩政期には全国に1万6千余の末寺があったが、1898(明治31)年の大火を機に横浜市鶴見に移った。門前の寺院は總持寺祖院として復興した。

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