鵜様道中のアニメと原画に見入る来場者=中能登町良川の鵜様道中ミュージアム

 中能登町と金沢ケーブルは11日までに、気多大社(羽咋市)の国重要無形民俗文化財「鵜祭(うまつり)」で主役となるウミウ「鵜様(うさま)」を運ぶ「鵜様道中」を題材としたアニメを制作した。鵜様が捕獲できず、道中が中止になるケースが近年相次いでいる中、アニメで若い世代に全国的にも珍しい新年の吉凶を占う神事や習俗を発信し、守り伝える大切さを伝える。

 CATVで9月放送

 鵜様道中は毎年12月、七尾市鵜浦(うのうら)町で捕まえた鵜様をカヤの籠に収め、3人の鵜捕部(うとりべ)が「ウットリベー」の掛け声を響かせながら中能登町を経由し、気多大社までの約50キロを3日間かけて歩く。2019、20年は鵜様が捕まらず、2年連続で中止となった。

 アニメは約5分間で、古事記や日本書紀、地元の郷土史などを参考にストーリーを構成した。気多大社の祭神である大国主命(おおくにぬしのみこと)をもてなすため、鵜捕部が鵜に姿を変えた櫛八玉神(くしやたまのかみ)を運ぶ内容となっており、中能登町の民家で宿泊した様子などを紹介している。

 アニメの原画は金沢美大卒で七尾市出身のイラストレーターときながゆうこさんが担当した。パソコンを使って描き、子どもが親しみやすいよう登場人物の表情を柔らかくするなどの工夫を凝らした。

 制作には中能登町の「鵜様道中の宿保存会」も資料の提供などで協力した。道端弘子事務局長(74)は「特に子どもに見てもらいたい。自分が生まれ育った郷土の歴史に理解を深めて、伝統を受け継いでほしい」と話した。

 アニメは中能登町ケーブルテレビで9月に毎日放送する。

  原画展が開幕

 中能登町良川の鵜様道中ミュージアムで11日、アニメの原画展(北國新聞社後援)が開幕し、動画に使われたイラスト24枚が来場者の注目を集めた。

 セミナーも開かれ、日本民俗学会の干場辰夫さん(69)が地元住民ら約20人に鵜祭について記載された古文書や祭りの意義などについて説明した。原画展は15日まで。

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