「泳げる水族館」となる国登録有形文化財の鴨ケ浦塩水プール=輪島市輪島崎町

  五輪選手を輩出 「水泳王国」象徴

 輪島市輪島崎町の国登録有形文化財「鴨ケ浦塩水(かもがうらえんすい)プール」で1日、沖合に生息する魚が放流され、遊泳と観察を同時に楽しめる「泳げる水族館」が1日限定で行われる。塩水プールは昭和30年代に輪島から3人の五輪選手を輩出した「水泳王国・輪島」を象徴する施設の一つで、輪島青年会議所(JC)が全国でも珍しい海水のプールを生かし、児童にふるさとの海の豊かさに触れてもらう。

 「泳げる水族館」は地元の児童を対象とした第40回輪島っ子自然教室(北國新聞社後援)のプログラムの一環で、県漁協輪島支所を通じて仕入れたマダイやイシダイ約50匹をはじめ、そばの海で捕まえたフグやベラなどをプールに放ち、市内の小学4~6年生16人が泳ぎながら観察する。

 輪島JCが塩水プールの新たな活用法として提案したいと考え、プールを管理する市の許可を得て初めて行う。児童はサザエの放流や海釣りなども体験する。

 鴨ケ浦は岩礁が広がる景勝地で、塩水プールは岩礁を縦25メートル、幅13メートルにくりぬいて造られた。1935(昭和10)年ごろから整備に着手され、取排水口から海水が自然に出入りする仕組みで、2018年5月に国登録有形文化財となった。

 完成時には学校でプールの整備が進み、選手の練習にはあまり使われなかったものの、1956年メルボルン、60年ローマ五輪で計4個の銀メダルを獲得した山中毅選手、ローマ五輪銀メダリストの大崎剛彦選手、五輪に出場した井筒賢造選手らを輩出した水泳に熱心な輪島ならではのシンボルとなっている。

 輪島JCの「輪島の未来創造委員会」の大向亮輔委員長は「いつもとは違った形で自然に触れてもらい、故郷を愛する気持ちを育みたい」と話した。

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