デルタ株4割

 石川県は28日、過去最多となる119人が新型コロナウイルスに感染したと発表し、感染状況をステージ3から最も厳しいステージ4に引き上げた。31日から金沢市の飲食店に対し、県のコロナ対策認証店を除いて酒類提供の終日自粛を要請する。県内では直近1週間で検査した検体の約4割が感染力の強いデルタ株だったことが分かった。こうした状況を受け、県は28日、国にまん延防止等重点措置の適用を要請した。

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 県が感染状況をステージ4に引き上げるのは5月9日~6月13日以来2度目。

 28日、県庁で開かれた対策本部会議で、8月15日までとしていた金沢市の飲食店への営業時間短縮要請を同22日まで延長することも決定した。期間中は午後9時までの時短営業を求める。東京などに発令されている緊急事態宣言の期限に合わせた。31日から飲食店でのカラオケ設備の利用自粛要請も行う。

 酒類提供の終日自粛の要請も8月22日まで。コロナ対策認証店では1グループ4人以内か、同居家族のみの利用に限って午後8時までの酒類提供が可能となる。金沢市内の認証店は27日時点で1405店舗となっている。

 今週末をめどに、兼六園やいしかわ動物園など約80の県有施設を閉鎖する。期間は8月22日まで。市町にも同様の措置を求める。

 観光事業を支援する県民旅行割は事業を停止し、すでに予約した分も割り引きは行わない。

 まん延防止等重点措置の適用地域は金沢市を想定する。ただ、現時点で病床がひっ迫しているとは言えず、重症者も2人にとどまる中、国がどのように判断するかは見通せない状況だ。

 谷本正憲知事は席上、「苦渋の判断だが、踏み込んだ対応を取ることにした。夏休みに入り、ますます感染リスクが高まる時期であり、あらためて感染対策の徹底をお願いしたい」と述べた。

  新たな「武器」生かして

  県感染症専門家会議・谷内江昭宏座長(金大附属病院副病院長)

 インド由来のデルタ株が東京から直に入ってきている印象を受ける。特定のクラスターはないものの、家庭や知人同士といった小さなコミュニティー内で市中感染が広がる、好ましくないパターンだ。

 幸い、ワクチン接種が進んだおかげで高齢者の感染、重症者は抑えられている。そして、これまでとは違った「武器」もある。一つはワクチンであり、もう一つは先日、新たな治療手段として厚生労働省から承認された抗体薬だ。

 これらを有効活用するため、今後は診療と治療のプロセスを円滑化する工夫が必要だろう。もちろん、感染の拡大を野放しにはできない。患者だけでなく、医療機関や保健所、行政にとっても負担が大きいためだ。県民一人一人の協力で難局を乗り切りたい。(談)

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