石川県は19日、県内で新型コロナウイルス感染者25人を確認し、新たに金沢市片町の飲食店でクラスター(感染者集団)が発生したと発表した。クラスター発生は今月に入って8例目で、通算75例目となる。片町地区では7月に入り、飲食店のクラスターが4件相次いで発生しており、県は注意を呼びかけている。

  経路不明者数、ステージ3に悪化

 感染状況を示す4つの指標のうち、直近1週間の感染経路不明者数が87人となり、上から2番目のステージ3の目安となる86人を超え、現在のステージ2(感染拡大警報)から悪化した。病床使用率は20・9%で、20%を上回った。県は病床数を270床に引き上げるよう、県内の医療機関に要請している。

 新たに感染したのは、金沢、白山、小松、野々市、七尾の各市在住の10歳未満~70代の男女。25人のうち20代が13人、次いで30代が4人と若年層の感染が目立った。

 新規感染者のうち、金沢市の20代男性は、金沢市片町地区で酒類を提供し、接待を伴う飲食店の従業員。既に公表済みの従業員やその知人4人を含めて感染者は5人となり、県は飲食店19例目のクラスターと認定した。 

 県によると、飲食店は入店時の検温や手指消毒、換気などの感染対策は取られていたが、接待時のマスク着用は徹底されておらず、店舗や休憩室で従業員らがマスクをせずに会話をする場面もあったことから、県は店内で感染が広まったとみている。

 このほか、既に公表されている感染者の濃厚接触者または接触者が14人で、残る10人は感染経路が分かっていない。

 県内では19日午前10時までに、312件の検査結果が報告された。

 感染者は累計4237人となった。治療中の患者は248人(前日比15人増)で、うち重症者は前日と変わらず1人となっている。

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