登録有形文化財の登録が答申された湊川沿いの倉庫群=氷見市朝日本町

カフェに改装が計画されている旧藺製品倉庫の内部

今町通りから見た蔵回廊=南砺市城端

 文化審議会(佐藤信会長)は16日、氷見市の湊川沿い倉庫群など建物3棟(朝日本町)と、南砺市にある旧野村家住宅土蔵(城端蔵回廊)の3棟(城端)を国の登録有形文化財(建造物)にするよう萩生田光一文部科学相に答申した。年内に答申通り告示される見込みで、富山県内の登録件数は72カ所147件となる。

【関連記事 登録有形文化財に大阪府庁舎など】

氷見・湊川の倉庫群

  水運、藺の産地物語る
  市内初登録 今は貸しスペース

 氷見市で建造物の登録有形文化財は初めて。3棟は市中心部を流れる湊川左岸に建つ「みなとがわ倉庫」(木造平屋建て)と「旧藺(い)製品倉庫」(同)、「旧藺製品作業場」(木造2階建て1部平屋建て)からなる。倉庫2棟は旧氷見銀行の米・農産物倉庫として大正後期に建設された。作業場は1957(昭和32)年、畳やござ、むしろなど藺製品の需要拡大に伴い建設された。

 湊川の水運の歴史や、氷見地域が藺製品の産地だった歴史を物語る貴重な建造物群として評価された。

 みなとがわ倉庫は2017年に市に寄贈された。賃貸スペースとして活用され、洋服店や雑貨店が入居する。旧藺製品倉庫と同作業場は市民ら有志の団体「on the Minatogawa(オン・ザ・ミナトガワ)一般社団法人」が昨年取得し、月1回程度イベントを開催している。

  交流空間、カフェに改装

 オン・ザ・ミナトガワは登録後、内部を改装し、交流スペースやカフェなどとして活用する計画だ。来月にもインターネットで資金を募集するクラウドファンディングを始める。

 林正之市長は「建物の価値を市民とともに学び直し、市内外にアピールしたい」とコメントした。オン・ザ・ミナトガワの林美湖代表理事は「多くの人に立ち寄ってもらえる場所にして、湊川界隈(かいわい)ににぎわいを生み出したい」と意欲を見せた。

南砺・城端の蔵回廊

  高級建築の風情伝える
  旧野村家土蔵 曳山会館の一部

 旧野村家住宅一番蔵と同二番蔵、同雑蔵は、明治期に旧野村銀行を設立した南砺市城端の豪商の3代目・野村理兵衛によって、1903(明治36)年に建設された。現在は各蔵を一体化した「蔵回廊」として、市城端曳山(ひきやま)会館の一部となっており、城端の歴史と文化を伝える展示スペースに活用されている。

 旧野村銀行は、北陸銀行の前身の一つ。野村家は呉服織物商として財をなし、理兵衛が土蔵群とともに建てた邸宅は当時、砺波地方有数の高級建築と言われたという。

 五色の石垣を基礎とした堅固な造りの土蔵群は1993(平成5)年、各入り口が鉄骨造り2階建ての建物でつながれ、来館者が行き来しやすい蔵回廊として整備された。裏手の今町通りから各蔵の板張りの外観と石垣を見ることができ、城端の歴史的景観の風情を一層豊かにしている。

  祭りの道具など展示

 蔵回廊内では、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産、城端曳山祭の道具などが展示されている。市城端曳山会館の山下茂樹館長(69)は「蔵の多い城端のまちを象徴する建物であり、城端曳山祭とともに蔵も末永く守りたい」と話した。

無断転載・複製を禁じます