直売所の開設に向けて準備する関係者=中能登町春木

  17日に開設 住民が要望、憩いの場に

 3月末で29年の歴史に幕を下ろした中能登町末坂の「とりやママさん直売所」を利用していた住民の要望を受け、同町春木の農事組合法人「能登やまびこ」が17日、常設の農産物直売所をオープンする。新鮮な野菜を安価で提供するとともに、ママさん直売所が販売していた餅などの加工品を並べる。住民の憩いの場としての役割も受け継ぎ、新たな交流の拠点を目指す。

 新たな直売所はママさん直売所から北に約2キロ離れた同町春木の「能登やまびこ」の事務所前に設ける。毎日午前10時から正午ごろまで営業し、朝に収穫した野菜をそのまま店頭に並べる。

 現時点でトウモロコシや枝豆、カボチャといった旬の野菜のほか、町特産の金糸瓜(きんしうり)やソバ、パクチーなど幅広い野菜を販売する予定だ。

 「ママさん直売所」は町内の女性農家が1992年から県道沿いのガソリンスタンドの旧店舗で運営していた。野菜だけでなく、餅や漬物などの加工品も販売して好評を得ていたものの、メンバーの高齢化や新型コロナで客足が遠のいたことを理由に閉店した。

 その後、地元住民から「なくなって寂しい」「もう一度あの餅が食べたい」などの声が相次いだため、これまで道の駅「織姫の里なかのと」などに野菜を卸していた能登やまびこが新たに直売所を開くことにした。

 運営にはママさん直売所のメンバーも協力し、これまで販売していた加工品も並べる。最年長メンバーだった稲葉貞子さん(84)は「閉店した後は多くの人に継続を求められた。お客さんのためにもう一度、頑張りたい」と意気込みを示した。

 能登やまびこはトウモロコシ畑を活用した観光農園の取り組みも試験的に実施しており、直売所の営業を通じて、町外からの誘客にもつなげたい考えだ。理事の曽山栄さん(70)は「コロナ感染防止対策を実施しながら、多くの人が交流できる場所にしたい」と話した。

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