小松マテーレが手掛ける抗ウイルス加工のマスク

北日本紡績の「KITABOマスク」

  「安心安全」証明、秋にも店頭に

 政府が一般用と医療用のマスクに品質の目安となる日本産業規格(JIS)を定めたことを受け、北陸の繊維メーカーで取得を目指す動きが広がっている。新型コロナ禍でマスク需要が高まり、さまざまな素材や機能、価格の製品が出回る中、「安心安全」の証明で消費者に違いをPRする。適合審査の申請が近く始まり、今秋にもJIS認証を受けたマスクが店頭に登場する見通しだ。

 マスクにJISを制定したのは、一定の品質基準を満たす製品を流通させ、消費者がマスクを選ぶときの参考にしてもらうため。一般用マスクでは、ウイルスを含む飛沫(ひまつ)、微粒子が体内に侵入するのを防ぐ性能や、通気性などに基準を設ける。日本衛生材料工業連合会が申請を受け付ける。

 昨年春からマスク開発を手掛ける小松マテーレ(能美市)は、新型コロナウイルスの不活化が確認された抗ウイルス加工素材「エアロテクノ」を使った製品を次々に打ち出している。中山賢一会長は「マスク大混乱時代に、素材に関係なく本当にいい商品を知ってもらうきっかけになる」とJIS制定を歓迎する。

 同社は「マスク内環境」に注目し、着用時の快適さと飛沫対策を両立させる製品づくりにこだわる。布製マスクは洗って繰り返し使えるため環境にも優しいとし、中山会長は「世間では布製が不織布に押されているが、JISによって繊維産地にも光が見えた」と話した。同社はエアロテクノシリーズなど5製品を申請する予定だ。

 丸井織物(中能登町)は、検査機関のカケンテストセンター(東京)が実施する「マスクのJIS規格に関するセミナー」に参加し、同社が販売する「第三のマスク」で取得を目指す。カジグループ(金沢市)も申請する方向で情報収集を急いでいる。

 不織布マスクを製造、販売するヘルスケア事業に昨年参入した北日本紡績(白山市)の担当者は「受け付けが始まったらすぐに申請する。一定の基準を設けることは大事だ」と賛同した。自社ブランド「KITABOマスク」として、今年度に1億枚の生産を計画している。

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